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ダンゴムシの記憶を持つ男の物語  作者: @000ーooo


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5.スキル授けの儀式

 今日はノルトマンのスキル授けの儀式の日である。今日ばかりは父も付いてくるようである。母と父とノルトマンと執事とメイド2人の6人で馬車に乗った。教会は伯爵邸のある町の中にある。あまり離れた距離ではないが伯爵家の者が市内へ出かける時は大抵馬車である。今日も馬車で出かけた。


 教会の前に馬車で行くと、もう今日スキル授けの儀式を受ける子供たちが集まってきていた。馬車を下りて、その子たちのところへ行ったが、屋敷からほとんど出たことのないノルトマンはほとんど知らない子ばかりだった。


 受付をすると、中に案内された。受付順に儀式が行われるようである。ノルトマンは今日儀式を受ける子供が座っている場所に行って椅子に座った。


 しばらくして、今日ここで儀式を受ける子供は全員そろったようある。神父さんやシスターが前の方の席に座った。そして、神父さんが私たちの前に出てきた。


「それでは儀式を始めます。皆さんいいですか。順番に名前を言いますので、名前を呼ばれた子は、前に出てこの水晶玉に手を触れてください。手は軽く触れるだけでいいです。


 水晶玉に手を触れると、水晶玉にその子が授かったスキルが表示されます。それを私がその子に伝えます。


 いいですか、その言われたスキルは、よく覚えておいて、帰ったらお父さんやお母さんに伝えてください。それでは始めます」


 そうやって、儀式が始まった。順番に子供が名前を呼ばれる。呼ばれた子供は前に出て、神父さんのところに行って、水晶球に手を触れる。すると水晶玉が軽く光る。そして神父さんが小声でそこのスキルを子供に伝えている。スキルを知らされた子供は後ろの親がいる場所に行って、スキルの内容を伝えている。


 ノルトマンの順番になった。ノルトマンは名前を呼ばれると神父さんのところに行った。そして水晶玉に軽く手を触れた。


 すると水晶玉がまばゆいばかりに輝いた。隣の神父さんも驚いている。その後、水晶玉に表示された文字を見て

神父さんが笑い出した。

「ノルトマン、貴方のスキルは、わっはっは」

神父さんが笑って続きを言ってくれない。会場の人も興味津々である。身を乗り出して神父さんの声を聞き取ろうとしている。


 神父さんは大きく息を吸って

「あなたのスキルは『ダンゴムシ語理解』、ダンゴムシと会話できるスキルです」

他の子には小さな声で言っていたのに、今回は大きな声で喋ったので、ノルトマンのスキルが会場のみんなに知れ渡ってしまった。


 すると、会場からどっと笑いが漏れた。すると、これを聞いていた父が真っ赤な顔をしてノルトマンのところに近寄ってきた。そして、

「俺にこんな恥をかかせおって、お前は伯爵家から追放だ。どこへでも行け」

5歳で家から追放されても生きていけない。

「何でもするから家に置いて」

「ダメだ」

涙をためて父を見るが、父の意志は固いようだ。怒りに顔が上気している。


 すると、近寄ってきた母親にやさしく抱きしめられた。

「ノルトマンはどこへも行かなくいいわ。私がずっと守から」

「お母様」

そう言って、ノルトマンは母に抱き着いた。


 母は立ち上がると

「もう我慢できません。私の可愛いノルトマンを泣かすとは、出て行くのはジーリグあなたです。貴方はもう夫ではありません。離縁します。


 すぐにこの町から出て行ってください。伯爵邸に戻ることは許しません。あなたの荷物は実家の子爵家に送っておきます。


 また、これまでにあなたが使い込んだ伯爵家のお金はあなたのお金から引いておきます。足らない分は実家の子爵家に請求しておきます」


 すると、父が

「何を言っている。俺は伯爵家の当主だぞ。当主を追放すると言うのか」

「お間違いになっているようですので再度言います。あなたは婿養子、伯爵家の当主は私です。あなたは単に私の婿でしかありません。


 今まではノルトマンの父ということで尊重してきましたが、ノルトマンを追放すると言うなら、もうその必要はありません。それに私は知っているのですよ。あなたが町に女を囲っていてあまつさえ子まで成したということを」


「なぜ、そのことを」

そう言って、父はうなだれた。

すると母はあらかじめ用意してあった離婚届けを出して父に無理やりサインさせた。


「いい機会です、神父さん今ここで私と夫ジーリングの離婚を認めてください。普通だったら、小声で言うはずの息子のスキルを大声で言ってこんな騒動を引き起こしたのですから、それぐらいしてもらえますよね」


 すると、神父さんが

「すいません。息子さんのスキルをみんなに聞こえるような声で言ってすいません。わかりました。ここで、辺境伯エヴィ様と夫であるジーリグの離婚を認めます」


 こうして、父と母は離婚した。そしてノルトマンは追放を免れた。追放されたのは父であった。 


 こうしてノルトマンのスキル授けの儀式は終わった。

 ここまでお読みいただいてありがとうございます。

 続けてこの後7:20、7:30、7:40にこの作品「ダンゴムシの記憶を持つ男の物語」の6話から8話を公開したいと思います。

 今後とも私の小説

(連載中)「転生者とバグでない異世界人の物語」

(連載中)「牛乳とチーズは違う味がする(顔だけ男の気ままな旅)」

(完結)「マリーの思い家族の思いそして祠がつなぐもの」

(完結)「泡沫の恋の行方と花時計の思い」

(完結)「帝国皇女の憂鬱(前世の夫の生まれ変わりを捕まえろ)」

(短編・完結)「妖精に成れなかったダンゴムシの物語」

(短編・完結)「真冬の祭りそして祠がつなぐもの」

(短編・完結)「雨の日は嫌い、雨の日はやっぱり嫌、でも雨の日もちょっぴり好きかも」

(短編・完結)「北の関を死守せよ、野望は泡沫の夢と消えて」

をよろしくお願いします。

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