27.冒険者クラブの活動2
少し森の奥に行くと冒険者はほとんどいなくなった。思った通りだ。ここへ来ているのはほとんどが新人冒険者である。森の奥に行くのは躊躇するはずである。
やみくもに探しても時間がかかるので草むらにしゃがんで小声で、ダンゴムシに聞いた。
「この辺りの薬草を教えてほしい。それとこの辺りにいる魔獣も教えてほしい」
するとダンゴムシが慌てた。急に人間がダンゴムシ語をしゃべったのである。
「あなたは誰、何故ダンゴムシの言葉がしゃべれるの」
「俺の前世はダンゴムシ、だからダンゴムシの言葉がしゃべれる」
これには納得したようで、早速薬草のありかを教えてくれた。それとここの魔獣はゴブリンがいることも教えてくれた。さらに、偶にオークがやってくることもあると教えられた。
そこでパーティーメンバーに
「ここはゴブリンがいるそうだから気を付けるように、それとたまにオークも出るそうだ」
「オークを倒したことはあるか」
と聞くと誰も倒したことはないそうだ。それでオークは俺が対応することにした。
ダンゴムシに教えてもらった辺りを指さして、
「この辺りで探そう。それとあまり広がらないでくれ」
と指示した。
そのあたりで薬草採取を始めると、さすが、あまり人が来ないこともあって面白いように薬草が採取できる。採取した薬草はパーティーメンバーが採取した分も含めてマジックバッグに入れるふりをしてすべて俺の異空間に入れた。こうすると鮮度が落ちないし、薬草以外が混じっていても排除できる。異空間は便利である。俺の作業場も兼ねている。
昼になったので昼食にすることにした。昼食のことを聞くと、誰も持ってきていないとのこと。エルザはお嬢さんだから仕方がないとしても後の4人は平民だろうにと思ったが、持ってきていないものは仕方がない。
俺は異空間からマジックバッグから出すふりをして、パンと干し肉を出した。するとエルザが
「スープはないの。飲み物がないとのどが詰まる」
「こいつ昔の奴隷時代のことはもう忘れているな」と思ったが、相手は公爵令嬢、素直に従うことにした。
辺りにあった石で竈を作り、そこにマジックバッグから出した鍋をかけ、水を入れ、下から火であぶった。水と火は俺の魔法である。そして異空間から出した塩と野菜を入れた。しばらくするといい匂いが漂ってきた。野菜スープの出来上がりである。
これをみんなに振舞った。エルザは当然と言う顔をしていたが、残りの平民女子4人は恐縮していた。
「貴族に料理を作ってもらうのは初めて」
とのことである。
辺りにいい匂いが漂ったことで、辺りが騒がしくなった。向こうからゴブリンがやって来る。俺はすぐに氷の矢でゴブリンの声がした辺りをハチの巣にした。そしてすぐに俺の異空間に収納した。ゴブリンの血の臭いが漂うとほかの魔獣がやって来る。
俺が、
「おいこのスープ、すぐに飲み干せ。いい匂いがすると魔獣がやって来る」
と叫ぶと、残りのメンバーもすぐにスープを飲みほした。
俺はスープを鍋ごと異空間に収納した。ついでに辺りの空気も異空間に収納した。これで匂いがあたりに漂うこともないだろうと思った。
しかし、向こうの茂みから音が聞こえる。見つからないようにと祈ったが無駄だった。茂みの向こうからオークが3体やって来る。
オークはすぐに俺たちを認識したようで、ぐちゃぐちゃ言いながら俺たちに向かってくる。俺たちが男1人に女子5人ということで、すぐに獲物認定したようだ。ゆったりと歩いてくる。相手が油断しているならと思って俺は人間の言葉で「オーク3体の頭を貫け、氷の矢」と唱えた。
すると氷の矢が3本、オークに向かって飛んでいった。そしてオークの頭を貫いた。そしてオーク3体がもんどりうって倒れた。一瞬の出来事である。
これを見た、女子たちが
「ノルトマン様すごい」
と叫んだ。
俺はオーク3体をマジックバッグに収納した。ここに長くいるとほかにも魔獣が来るといけないと思ってすぐにギルドに帰った。あまりにも早く帰って来たのでギルドの受付嬢が
「何かあったのですか」
「オークが出てきたので帰って来た。オークは倒してマジックバッグに入れてきた。他にゴブリン3匹も倒した」
「オークは裏の解体場へ行って出してください。薬草の納品はここで受け付けます」
その後薬草を納品、ゴブリンは討伐で報奨金が出る。一番金になったのはオークであった。これらを合わせて金貨10枚になった。6人で割ると割り切れないので、どうするかという話をしたら、ほとんどをノルトマンが倒したので、ノルトマンが半分、残りを5人で分けるという話になった。
夕方、先輩たちが帰って来たので、オークを倒したという話をすると驚かれた。




