26.冒険者クラブの活動1
次の休日の朝早くノルトマンとベルタは王都の冒険者クラブに行った。なお、王都は初めてなので辺境伯家の馬車でギルドに前まで送ってもらった。帰りも迎えに来てもらうことにした。さすが貴族、それも一人っ子、このあたりはすごく過保護である。そしてそれを何とも思っていないところがまた異常である。
ギルドの前に行くとすでにエルザも来ていた。3人でギルドの扉を開けて中に入った。中に入って行くと隅っこのところに先日クラブの受付をしていた生徒がいた。他にも学院の生徒が10人ほどいた。ノルトマン達を合わせると15人になる。その後さらに3人今年の新入生が来た。ベルタの知り合いで、ベルタが誘ったみたいだ。
「私は冒険者クラブの部長のロイ3年生Cクラス平民です」
「私は副部長のミア3年生Dクラス、家は男爵家」
「私は書記のリズ3年生Eクラス平民です」
「私はエルザ1年生Aクラス、家は公爵家です」
俺がうじうじしていると、ベルタに横腹をつつかれた。
「俺はノルトマン1年生Aクラス、家は辺境伯家です」
「私はベルタ1年生Cクラス平民、ノルトマン様の専属メイドです」
続いて新入生3人が挨拶した。
「私たちはノア、サラ、ケイです。1年生Cクラス、3人とも平民です。ベルタさんとは何時も仲良くしてもらっています」
「今日は君達を入れて18人が活動に参加することになった。君たちは冒険者登録をしているのかね。していなかったらあちらの受付で冒険者登録をしてきてほしい。それと君たちのレベルはどれくらいかね」
「私は、冒険者登録をしている。ランクはEランク。依頼は薬草採取とゴブリンの討伐をしたことがある。私は護衛に守られてダンジョンの第4階層まで行った。魔法も剣も学院の学院入学レベルであまり得意でない」
「俺は冒険者登録をしている。ランクはFランク。依頼は薬草採取しかしたことがない。領地にいた時は護衛に守られてダンジョンの第6階層まで行った。魔法は火魔法と水魔法が使える。剣も使える」
「私は冒険者登録をしていない。剣は使えない。魔法は火魔法が使える。しかしこれも学院の入学レベルです」
「私たち3人も冒険者登録はしていない。剣は使えない。魔法は学院入学レベルです」
「そうか、今年の新入部員6人の中ではノルトマン君が少しできる程度で、後は初心者か。俺たちのレベルはDランクが2人、Eランクが4人、Fランクが6人だ。そこで、いつも、Dランクの2人とEランクの4人で1つのパーティー、Fランクの6人で1つのパーティーとしている。報酬のこともあるので、新入部員だけでパーティーを組んでくれるかな」
そうなると思った。俺たちはお荷物それが人数割りで報酬を貰ったら不満が出る。その後冒険者登録していない4人が冒険者登録している間に部長たちから冒険者の心構えやクラブのことを教わった。
クラブは実質家が貧乏な学生の生活費を稼ぐための隠れ蓑のような存在だと聞かされた。そういう意味では俺とエルザは異質である。さらに言えば辺境伯家のメイドでしかも生活費がすべて辺境伯家から出ているベルタも異質である。
しかし、付き合いが淡泊ということは逆に言えば、あまり深く関わらなくてもいいのでノルトマンとしては、「いいクラブに入った」と思った。
俺のパーティーはエルザがEランクなのでエルザがリーダーになるかなと思ったら、エルザは俺がリーダーをしろと言うので俺がリーダーをすることになった。ノア、サラ、ケイは平民なので、たぶん彼女たちに命令はできると思う。
クラブの説明とパーティー分けが終わったので、先輩たちは依頼を受けて冒険者ギルドを出て行った。俺たちも依頼の張ってある掲示板のところに行ったが、Fランクが受注できる依頼は薬草採取しかない。ギルドの受付嬢に薬草のある森を聞いて出かけた。
王都の門を出て、東へ1時間ほど歩いた森がお勧めとのことで、そこへ行った。行くと新人冒険者が大勢いる。「騙された」と思った。これだと安全だが、冒険者の数が多いので多分薬草は取りつくされている。
そこでもう少し奥へ行ってみることにした。
「なあ、おまえら、もう少し奥へ行ってみないか。ここだと薬草は取りつくされている」
「いいわよ。リーダーはノルトマンだし、指示に従うわ」
エルザが了解したので、他の4人も異存ないようだ。
俺たちは少し森の奥に行った。




