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ダンゴムシの記憶を持つ男の物語  作者: @000ーooo


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23/27

23.クラスのガイダンスと自己紹介

 エルザと話をしていると、担任の先生が入ってきた。名前はアデラ様、伯爵家の2女だそうだ。独身だが今は家を出ているとのこと。得意なのは水魔法だそうだ。


「これから注意事項を言いますのでよく聞くように。


 まず、学院では貴族も平民も平等、それを忘れることがないように。そして貴族風を吹かせて平民を虐げることがないように。平民の中にも優秀な人がいます。その優秀な人の力をこの国の発展に役立てる。これが王宮の方針です。


 むろん社会に出れば貴族と平民、差は歴然としています。しかしせめて学院にいる間だけでも平等に扱う。そして優秀な平民の力を伸ばしていく。そして、貴族も平民に負けないように切磋琢磨する。これがこの学院の建学の精神なのです


 それから授業は真面目に受講し、周りに迷惑をかけないこと。体調が悪い場合は担任に連絡してください。その場合、欠席しても問題ありません。


 それから他人とのトラブルは極力避けること。特に他人を誹謗中傷するようなことはやめてください。下級貴族や平民だからというだけで蔑んだり、いじめたりすることのないようにしてください。


 このようなことをすると、親にも連絡が行くし、問題が大きいような場合、例えば相手の生徒を傷つけたような場合はその家だけでなく王宮にも連絡がいきます。


 それから、時間が許すようであれば、積極的にクラブ活動にも参加して交流を深めるように。クラブ活動は武術系のクラブから文科系のクラブまで用意されています。


 授業のカリュキラムは、入学試験の科目、国語、数学、魔法理論、外国語、法律、貴族の常識、魔法実技、剣術実技は必須科目です。選択科目は、薬学、魔法陣、領地経営、商業取引、地理、歴史、第二外国語、乗馬です。


 受講科目は単位制ですが、出席点を加味する科目も多いので、試験でいい成績をとっても出席日数が足らないと不合格となることもあります。


 以上が注意事項と授業のカリュキラムです」


 こうして担任の先生の注意事項と授業のカリュキラムの説明が終わった。


 順番に自己紹介が始まった。上級貴族の中には知っている者も多いようだが、俺は全く知らない。なんせ王都に来るのは初めてである。エルザは知っている生徒もいるようだ。


 俺の番になった。

「私はノルトマン・シュトラリュー、辺境伯の長男です。魔法は火魔法と水魔法が使えます。剣も得意です。誕生日は10月1日です。一人っ子です。今は王都の辺境伯邸から通っています。王都は初めてです。よろしくお願いします」


 取りあえず無難な挨拶をした。すると、小声で誰かが「ダンゴムシ語理解」と小声で言った。するとクラスが爆笑の渦につつまれた。


 俺は恥ずかしくなって下を向いたまま座った。


 すると担任が怒りだした。

「今の私の注意事項を聞いていなかったのですか、他人の欠陥を中傷するような発言をして、相手を貶めるのは本学の建学の精神に違反します。今笑った人は後で反省文を提出するように」


 これを聞いて俺はほっとした。担任はまともな人のようだ。


 エルザの自己紹介の番になった。

「私は、エルザ・フライスデン、公爵令嬢です。私も一人娘なので将来公爵家を継ぐことになります。たぶん皆さんは私のことも知っていると思うので笑われる前に言っておきます。


 私は小さい時、奴隷に売られました。その後今の公爵、私の祖父に引き取られて公爵令嬢になりました。でもこのことを悪く言う人がいれば、公爵家の力でもってその家ごとつぶしますから、ご注意願います」


 なんともはや、挑発的な挨拶だ。俺みたいに笑われて真っ赤になるのとは違うと思った。


 その後も挨拶が続いていくが、やはり上級貴族は堂々としている。下級貴族や平民はおどおどしている。俺みたいに上級貴族なのにおどおどしているのは珍しいみたいだ。


 こうしてノルトマンの学院の1日目は終わった。なお、ベルタが帰りの馬車の中で、

「クラスの自己紹介では、元奴隷なのに学院の試験に通ったというのでびっくりされた」

と言っていた。元奴隷というのも知れ渡っていたようだ。

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