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ダンゴムシの記憶を持つ男の物語  作者: @000ーooo


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20/22

20.学院入学に向けての勉強

 エルザが公爵家に引き取られて5年が経った。最初はよく手紙が来たが、最近はそれも少なくなった。今は来年の学院の入学試験に向けての勉強中である。


 暗記物は異空間に本をコピーして置いてあるので、ほぼ完ぺきにできる。計算や考える問題は苦手である。しかし、これも教科書の問題と模範解答を異空間にコピーしておいてあるので、似たような問題が出れば難なく解ける。


 また、計算時間を短縮するために1桁の掛け算だけでなく2桁の掛け算まで表にして記載したものを異空間に保管してある。これで19×20というような問題が出てもすぐに380と答えが出る。割り算は答えから探すので時間がかかるが1から計算するよりはずっと早い。


 しかし、変わった問題や異空間にコピーしていない問題が出た時はあきらめである。そこで、最近は出来るだけたくさんの問題と模範解答をコピーするように問題集なる物を作成してもらっている。


 さすが貴族、家庭教師といえども伯爵家に雇われているので、俺には逆らえない。まし「よりいい点数を取るための努力だ」と言うと断る理由がない。


 後は剣術実技と魔術実技である。剣術実技は伯爵家の騎士団に交じって稽古を行っているので、たぶん合格点は取れるだろうとのことである。


 これには伯爵家の騎士団に感謝である。嫌がる俺を鍛え上げてくれたのだから、それに模擬戦の時に俺が勝てそうで勝てないくらいに手を抜いてくれた新人さんにも感謝である。


 立ち直れないくらい完璧に負けると、やる気を無くするのだけれど、もう少しのところで負けると次こそはと思ってしまう。最初は本当に実力が拮抗しているのだと思っていたが、いつまでたっても差が縮まらないのでわざと負けていることが分かった。しかし、これによってやる気を持続できたのだから、手を抜いてくれた新人さんには感謝である。


 魔術実技はダンジョンでの訓練の結果、人間の言葉の詠唱でも人並みの魔法を行使できるようになった。これは後で行ったダンジョンでの経験値の取得も関係していると思う。


 ダンジョンで魔獣を倒すと経験値が取得でき魔法の威力が増すようである。それに俺の魔力量はすごく多い。多分この国でもトップクラスだろうとのことである。


 それで連続して魔法が行使出来る。これも強みの1つである。相変わらずダンゴムシ語の詠唱による魔法の行使は秘密にしている。これはダンゴムシ語だと魔法の効果が人間の言葉の場合の何倍にもなる。恐ろしくて人前では魔法を行使できない。これはほんとに命の危険を感じた時だけにしている。


 それから、一緒に勉強しているクララとベルタであるが、この2人は学院合格は難しいようである。学院に合格したら解放奴隷にしてやると言ってあるので、かなりやる気は出ているようだが、もともとの頭の程度が、それほどでもないのと勉強を始めたのが6歳になってからというのが響いているようである。


 クララはたぶん無理だと思う。ベルタは計算スキルがあるので計算問題は得意である。俺よりも数学の点数はいい。何とかベルタだけでも合格させたいということで、家庭教師を追加で雇ってもらった。


 美肌のポーションがよく売れている関係上、伯爵家は金がある。「追加の家庭教師を雇うぐらいは問題ない」と母には言われた。その先生に山をかけてもらって、問題と模範解答を用意して、その問題と模範解答をベルタに丸暗記してもらっている。なお、この問題はクララにも丸暗記させているがこちらは難しそうである。


 実技は剣術か魔術のどちらか選択なので、魔術に絞って、午後は俺と一緒に魔術の訓練である。


 最近届いたエルザからの手紙にも

「今は学院の入学試験に向けた勉強で大変だ」

とのことである。

「クララとベルタも試験を受ける。俺はたぶん合格すると思う。クララとベルタの場合、山をかけて当たれば通るかもしれない。外れれば落ちる」

と返事をしておいた。

ここまでお読みいただいてありがとうございます。

 今日はここまでです。明日からは1日1話7:10の公開にしたいと思います。

 今後とも私の小説

(連載中)「転生者とバグでない異世界人の物語」

(連載中)「牛乳とチーズは違う味がする(顔だけ男の気ままな旅)」

(完結)「マリーの思い家族の思いそして祠がつなぐもの」

(完結)「泡沫の恋の行方と花時計の思い」

(完結)「帝国皇女の憂鬱(前世の夫の生まれ変わりを捕まえろ)」

(短編・完結)「妖精に成れなかったダンゴムシの物語」

(短編・完結)「真冬の祭りそして祠がつなぐもの」

(短編・完結)「雨の日は嫌い、雨の日はやっぱり嫌、でも雨の日もちょっぴり好きかも」

(短編・完結)「北の関を死守せよ、野望は泡沫の夢と消えて」

をよろしくお願いします。

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