18.レベル上げ
相変わらずノルトマンの冒険者活動は領都のすぐ近くの魔獣が一匹もいない超安全な森での薬草採取だけである。段々飽きてきた。と言うかもうすでに飽きているのだが、ポーション工場のこともあって、少しは薬草に興味を持っていたのだが、ポーション工場が一段落すると薬草採取だけでは物足らなくなってきた。
そこで、思い切ってダンジョンに行きたいと母に申し出た。すると、この前の家庭教師が呼ばれノルトマンの実力が母に報告された。
「ノルトマン様は私たちと第6階層まで行きました。第6階層では護衛に守ってもらって、魔法で魔獣を倒す訓練をしました。
最初は魔法の威力も弱く護衛が必要でしたが、そのうち魔法の威力も上がって、すぐに魔獣を倒せるようになりました。
最後の方では私たち護衛の仕事はほとんどありませんでした。だから今の奴隷の護衛4人だけでも第6階層なら問題ないと思います」
これを聞いて母は
「わかりました。奴隷の護衛4人とダンジョンへ行くことを許可します。ただし、第6階層までです。それより深い階層へ行くことは許しません」
こうしてノルトマンは再びダンジョンへ行くことを許された。今日は奴隷4人とダンジョンへ行く日である。領都の城門を出て、徒歩でダンジョンに向かう。受付で受付をして、階段を下りる。
第1階層、これは問題ない。ホーンラビットとスライム、以前と同じである、もう瞬殺である。そのまま第2階層に行く。ここはゴブリン。領都の西の森にもゴブリンがいたが、あれは魔法を使うゴブリンだった。ここには魔法を使うゴブリンはいない。これも瞬殺である。すぐに第3階層に行った。ここはコボルト、群れで襲ってくるが、ノルトマンは一度にたくさんの魔法が放てる。これも瞬殺である。第4階層はオークが出る。しかし、ノルトマンの魔法の威力の前にオークは敵ではない。すぐに倒して、第5階層に進んだ。狼系の魔獣も群れで襲ってくるだけで一度に多くの魔法を放つと群れごと始末できる。
あまりにもノルトマンがサクサクと魔獣を倒していくので護衛の奴隷4人がびっくりしている。「こんなに強いとは思っていなかった」それが偽らざる感想である。一度に多くの魔法を放てる。そしていくら魔法を放っても疲れた様子がなく、魔力量が桁違いなのにも驚かされた。
そうやって、やって来た第6階層、ここは虫系の魔獣が群れになって襲ってくるところである。ここでノルトマンはダンゴムシ語を再度試してみることにした。
近くの空を見渡して、ダンゴムシ語で「空を飛ぶ魔獣に100の氷の矢を打ち込め」と唱えた。すると、100の氷の矢が、空を飛んでいる魔獣に当たった。そして、空を飛ぶ魔獣が半数ぐらいになった。
すると空を飛ぶ魔獣はノルトマンを敵認定したようですぐにノルトマンに向って急降下してきた。その急降下してくる魔獣にダンゴムシ語で「空を飛ぶ魔獣をすべて貫け、氷の矢1000発」と唱えた。
これまでは一度に100ぐらいしか魔法を行使したことがなかったが、今回1000の魔法を行使してみた。これは一種の賭けであったが、この詠唱は成功したようである。一度に数えきれないくらいの氷の矢が、向ってくる魔獣に当たった。そして向ってきた魔獣はすべて撃ち落された。
これには護衛の奴隷4人は口が聞けないほど驚いた。一度に数えきれないほど多くの魔法を放てる魔法士などいない。ノルトマンは
「このことは誰にも内緒だぞ、母上にも内緒だぞ」
ときつく念を押した。
その後もノルトマンは第6階層で空を飛ぶ魔獣を中心に魔獣狩りを楽しんだ。そうノルトマンにとって第6階層はもう余裕なのである、だからやっと魔獣を倒すのではなく余裕で倒すのである。目的は経験値の取得と、時折現れる宝箱から出てくるアイテムである。今回もマジックバッグを手に入れた。
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
続けてこの後7:30、7:40にこの作品「ダンゴムシの記憶を持つ男の物語」の19話と20話を公開したいと思います。
今後とも私の小説
(連載中)「転生者とバグでない異世界人の物語」
(連載中)「牛乳とチーズは違う味がする(顔だけ男の気ままな旅)」
(完結)「マリーの思い家族の思いそして祠がつなぐもの」
(完結)「泡沫の恋の行方と花時計の思い」
(完結)「帝国皇女の憂鬱(前世の夫の生まれ変わりを捕まえろ)」
(短編・完結)「妖精に成れなかったダンゴムシの物語」
(短編・完結)「真冬の祭りそして祠がつなぐもの」
(短編・完結)「雨の日は嫌い、雨の日はやっぱり嫌、でも雨の日もちょっぴり好きかも」
(短編・完結)「北の関を死守せよ、野望は泡沫の夢と消えて」
をよろしくお願いします。




