10.ダンジョンでの訓練3
次は第3階層である。ここではコボルトが出てくるそうである。1匹1匹は弱いが群れになって襲ってくるそうである。
まずは家庭教師の見本の見学。マチルダさんの魔法攻撃、マチルダさんは一度に複数に氷の矢を放つことは出来ないようで、1本ずつ氷の矢をコボルトに当てていく、すると、すぐに矢の当たっていないコボルトが接近する。それをアンドレアスさんが威嚇して、コボルトをマチルダさんに近づけない。そのうちすべての魔獣がマリルダさんの魔法攻撃で倒された。
今回もマチルダさんの代りをノルトマンがすることになった。10匹のコボルトが現れたので、ノルトマンが10本の炎の矢を10匹のコボルトに放った。これにはマチルダさんも驚いた。1度に10本の炎の矢なんてマチルダさんもできない。
ノルトマンの放った炎の矢は威力は弱いがそれでも確実にコボルトに効いている。そしてこれまでと同様連続して炎の矢を放っている。そのうちコボルトは火がついて燃え上がった。そして10匹のコボルトは霧になって消えていった。するとノルトマンに多くの経験値が入ったようでノルトマンは体が震えるのを感じた。
その後もコボルトが出てきたが、今度はノルトマンの魔法の威力も上がったようで、だんだんとコボルトが倒れるのが早くなってきた。そして、一度に10匹ぐらいのコボルトが現れても余裕で倒せるようになった。
こうして第3階層は卒業になった。
次は第4階層、ここでは魔物がこれまでの階層よりも強くなる。たぶん今のノルトマンの魔法の威力では倒せないだろう。家庭教師で訓練方法を協議したが、とにかくノルトマンの魔法の威力を上げるしか方法がない。それにはできるだけたくさんの経験値を得てもらうしか方法がないという結論に達した。
やり方は第1階層のホーンラビットと同様、魔獣を弱らせて、最後にノルトマンにとどめを刺してもらうことになった。しかし相手はオーク、手加減なんて出来ない。そこで複数のオークが現れたら、最後の1体だけにして、そのオークのとどめだけをノルトマンに刺してもらうことになった。
第4階層に足を踏み入れた。3体のオークが前からやって来る。左の1体はマチルダが氷の矢で倒した。右の1体はアンドレアスが剣で倒した。そして最後の1体を2人で対峙して、足を狙って魔法攻撃、動けなくした。その後ノルトマンが槍で突いてオークを倒した。なんとも過保護なやり方である。しかし、ノルトマンに怪我をさせると後が怖い。伯爵家の従士の家庭教師の取れる最善の方法である。
こうやって、第4層で魔獣を倒し始めてから2か月がった。少しずつではあるがノルトマンの魔法の威力も上がってきた。最初は最後のとどめを刺すだけだったが、最近は最初の魔法攻撃もマチルダに交じってするようになった。
それからさらに1か月経過する頃にはやっとノルトマンの魔法攻撃でもオークを倒せるようになった。すると経験値が多く入るようでノルトマンの魔法の威力がさらに上がった。
とにかくノルトマンの魔力量はたぶん伯爵家では一番多い。連続して魔法攻撃をしても疲れた様子がない。一度に複数のオークが現れても、複数の魔法攻撃を連続して行うことが出来る。
そうなると加速度的にノルトマンの魔法の威力が上がった。そして今日第4階層を卒業することになった。
それにしても、家庭教師のアンドレアスとマチルダは不思議に思った。ノルトマンは虫も殺さない気弱な子である。そのノルトマンが躊躇せずに魔獣に攻撃魔法を放っているのである。ノルトマンは何も言わない。1度気になって
「ノルトマン様、虫を殺すのは嫌がるのに、魔獣を殺すのは嫌じゃないのですか」
するとノルトマンは
「魔獣は虫の敵。だから何も思わない。それにここダンジョンでは倒した魔獣は霧になって消えていくので、魔獣を倒した罪悪感は起きない」
とのことであった。ノルトマンの中では魔獣と虫との線引きが出来ているようであった。
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
続けてこの後7:30、7:40にこの作品「ダンゴムシの記憶を持つ男の物語」の11話と12話を公開したいと思います。
今後とも私の小説
(連載中)「転生者とバグでない異世界人の物語」
(連載中)「牛乳とチーズは違う味がする(顔だけ男の気ままな旅)」
(完結)「マリーの思い家族の思いそして祠がつなぐもの」
(完結)「泡沫の恋の行方と花時計の思い」
(完結)「帝国皇女の憂鬱(前世の夫の生まれ変わりを捕まえろ)」
(短編・完結)「妖精に成れなかったダンゴムシの物語」
(短編・完結)「真冬の祭りそして祠がつなぐもの」
(短編・完結)「雨の日は嫌い、雨の日はやっぱり嫌、でも雨の日もちょっぴり好きかも」
(短編・完結)「北の関を死守せよ、野望は泡沫の夢と消えて」
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