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なんか気に入らない

体育祭まで残り三週間。


実行委員の仕事は思った以上に忙しかった。


その日も放課後まで準備が続いていた。


「やっと終わったー!」


私は大きく伸びをした。


外を見ると空がオレンジ色に染まっている。


「お疲れ。」


向かいの席で湊が笑った。


「湊もお疲れ!」


「じゃあ帰るか。」


「うん!」


私は鞄を持ち上げた。


その時。


教室のドアが開く。


「伊吹。」


聞き慣れた声。


振り向くと陸だった。


「陸!」


「迎えに来た。」


そう言いながら教室に入ってくる。


そして。


私と湊を見比べた。


「また一緒か。」


「実行委員だから。」


私は答える。


当たり前のことだ。


だけど。


陸はなぜか少し不機嫌そうだった。


「最近ずっとじゃん。」


「そう?」


「そう。」


即答だった。


私は首を傾げる。


湊は苦笑した。


「嫉妬か?」


「は?」


陸の眉がぴくっと動く。


「違うけど。」


「顔怖いぞ。」


「元から。」


「それは知ってる。」


湊が笑う。


陸はさらに顔をしかめた。


「帰るぞ。」


そう言って私の腕を引く。


「えっ!?」


「玲央も待ってる。」


「先言ってよ!」


私は慌てて湊へ手を振った。


「また明日!」


「おう。」


教室を出る。


廊下を歩きながら私は言った。


「どうしたの?」


「何が。」


「なんか機嫌悪くない?」


「別に。」


絶対嘘だ。


小さい頃から一緒だから分かる。


陸は機嫌が悪い時、


すぐそう言う。


「なんかあった?」


「ない。」


「あるじゃん。」


「ない。」


会話が進まない。


私はため息をついた。


すると。


陸がぽつりと言う。


「最近。」


「?」


「湊と一緒にいること多いな。」


私は思わず笑った。


「だって実行委員だもん。」


当然だ。


そう答えた。


だけど。


陸は納得していない顔だった。


「ふーん。」


そのまま前を向く。


私はますます意味が分からなくなる。


その頃。


教室では。


湊が窓の外を見ていた。


去っていく二人の後ろ姿。


その横に立った玲央が言う。


「顔に出てる。」


「何が。」


「お前も。」


玲央の言葉に。


湊は少しだけ苦笑した。



家に帰った後も。


陸の頭から離れない。


今日の放課後。


楽しそうに笑っていた伊吹。


その隣にいた湊。


思い出すだけで。


なぜか胸の奥がざわついた。


「なんなんだよ……。」


誰もいない部屋で呟く。


その答えを。


まだ陸は知らなかった。

陸さん、、それは嫉妬です笑

陸さん恋しちゃってます!笑

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