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思いがけない再会

「今日はこれで終わりです。気をつけて帰ってください。」


先生がそう言うと、教室は一気に賑やかになった。


「伊吹!」


「さっきの子、知り合いなの?」


「『久しぶり』って言ってたよね?」


次々と質問が飛んでくる。


「えっと……。」


なんて説明しようか迷っていると、


「伊吹。」


後ろから聞き慣れた声がした。


振り返ると、千早が立っていた。


「久しぶり。」


「あ、うん……久しぶり。」


教室中の視線が、一斉に私たちへ集まる。


「え、本当に知り合いなんだ。」


「どういう関係?」


すると千早は困ったように笑った。


「そんなに気になる?」


その一言で、みんながさらにざわつく。


「伊吹、教えてよ!」


私は少し照れながら息をついた。


「……いとこ。」


その瞬間。


「えーーっ!?」


教室中に大きな声が響いた。


「いとこだったの!?」


「びっくりした!」


「全然似てないじゃん!」


思わず笑いが起こる。


「小さい頃はよく一緒に遊んでたんです。」


千早がそう説明すると、みんな納得したように頷いた。


「だから『久しぶり』だったんだ。」


「そういうこと。」


私は苦笑しながら答えた。


すると、後ろから陸が近づいてきた。


「伊吹、その人紹介してよ。」


「あ、ごめん。」


私は二人の間に立つ。


「この子が陸。」


「初めまして!」


陸はいつも通り人懐っこく笑う。


「七瀬千早です。よろしく。」


「俺は湊。」


「玲央。」


二人も軽く頭を下げた。


「伊吹には昔、よく遊んでもらってたんです。」


「へぇ。」


陸は興味津々で千早を見る。


「じゃあ伊吹の昔話とか知ってる?」


「まあ、それなりには。」


「やめて!」


伊吹は慌てて千早の腕を軽く叩いた。


「変なこと言わないでよ!」


「秘密にしておく。」


そう言って笑う千早に、伊吹もつられて笑う。


その様子を見ていた湊は、小さく視線を落とした。


知らなかった。


伊吹にも、自分の知らない時間がある。


それは当たり前のことなのに、胸の奥が少しだけざわつく。


「じゃあ、帰ろうぜ!」


陸の声で、みんなが歩き出す。


「千早も一緒に帰る?」


伊吹が振り返ると、千早は少し考えてから笑った。


「今日はやめておく。また今度。」


「そっか。」


「またな、伊吹。」


そう言って手を振る千早。


伊吹も笑顔で振り返した。


その光景を見つめる湊は、胸の中に生まれた小さな違和感の正体に、まだ気づいていなかった。

2人は実はいとこでした!!

ちはやといぶき、2人の過去をこれから書いていきます!

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