夏色の1日
こんにちは、眠り姫です!
第4章「恋の夏」はじまりです!
ぜひご覧ください。
終業式が終わり、ついに夏休みが始まった。
朝。
目覚まし時計を気にしなくていいだけで、少し幸せな気分になる。
「夏休みだー!」
ベッドの上で大きく伸びをする。
窓を開けると、蝉の鳴き声が一気に部屋へ飛び込んできた。
夏だ。
昨日まで制服を着ていたのが嘘みたいだった。
その時、スマホが震える。
『暇。』
送り主は陸。
思わず笑ってしまう。
『夏休み初日の感想がそれ?』
送ると、すぐに返事が来た。
『暇だから遊ぼう。』
『急すぎる!』
そこへまた通知。
今度は四人のグループだった。
湊
『今日みんな暇?』
まるで示し合わせたみたいなタイミング。
玲央
『暇。』
陸
『暇。』
私は笑いながらスマホを打つ。
『みんな暇なんだね。』
少しして湊からメッセージが届く。
『駅前集合で。アイス食べ行こう。』
『行く!』
送信ボタンを押した瞬間、自分でもびっくりするくらい返事が早かった。
「……。」
私はスマホを見つめる。
やっちゃった。
こんなの、楽しみにしてたみたいじゃん。
いや、楽しみなんだけど。
「はぁ……。」
顔が熱い。
恋を自覚した途端、全部が気になってしまう。
服は何を着よう。
髪は巻こうかな。
いや、気合い入れすぎ?
鏡の前で何度も着替えては首を傾げる。
「伊吹ー!」
一階から母の声が聞こえた。
「そろそろ出る時間じゃない?」
「今行くー!」
結局、白いTシャツにデニムといういつもの服を選んだ。
駅前に着くと、一番最初にいたのは玲央だった。
「早いね。」
「五分前だし。」
うん、玲央は相変わらずだ。
「お待たせ!」
次に陸が走ってくる。
「暑すぎ……。」
「走ってきたの?」
「二度寝した。」
「珍しい!」
そんな話をしていると、
「悪い、待った?」
最後に湊が現れた。
その瞬間。
自然と目で追ってしまう自分がいた。
黒いTシャツに、ベージュのパンツ。
シンプルなのに、なんだかよく似合っている。
「伊吹?」
「えっ?」
「ぼーっとしてた。」
「してない!」
慌てて目を逸らす。
陸はその様子を横で見て、小さく眉をひそめた。
玲央だけが気付いたように、そっと苦笑する。
「じゃあ行くか。」
湊の一言で、四人は歩き出した。
変わらないはずの夏休み。
でも。
私の心だけは、昨日までとは少し違っていた。




