表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/19

いつもの距離

こんにちは。眠り姫です。


episode1に続き、episode2を読みに来てくださり

ありがとうございます。


まだまだ始まったばかりですが、

これからも楽しんでいただけたら嬉しいです。


それではどうぞ!

新しいクラスでの一日目は、思ったよりあっという間に終わった。


「疲れたー!」


私は机に突っ伏す。


「まだ初日だぞ。」


陸が呆れたように言った。


「初日だから疲れるの!」


「意味分からん。」


そんなやり取りをしていると、前の席の湊が振り返った。


「伊吹。」


「ん?」


「これ。」


机の上に置かれたのは、私の好きなイチゴオレだった。


「えっ!?」


思わず顔を上げる。


「自販機行ったついで。」


「神!」


私は両手で受け取った。


「ありがと!」


満面の笑みで言うと、湊は少しだけ目を逸らした。


「別に。」


耳が少し赤い気がしたけれど、気のせいだろう。


その様子を見ていた玲央が小さくため息をつく。


「甘やかしすぎ。」


「何が?」


「いや。」


玲央はそれ以上何も言わなかった。


放課後。


四人で帰る途中だった。


「そういえば伊吹。」


玲央が声をかける。


「英語の課題終わった?」


私は固まった。


「……課題?」


「終わってないな。」


「終わってないね。」


陸と湊の声が重なる。


「忘れてた……。」


私が頭を抱えると、


「予想通り。」


玲央は鞄からノートを取り出した。


「写すなよ。」


「見るだけ。」


「信用できない。」


そう言いながらもノートを渡してくれる。


優しい。


本当に優しい。


「玲央大好き!」


私がそう言った瞬間。


陸がむせた。


湊は変な方向を向いた。


玲央は額を押さえた。


「……簡単にそういうこと言うな。」


「?」


意味が分からず首を傾げる。


三人はなぜか同時にため息をついた。


その日の帰り道。


交差点で別れる時だった。


「じゃあまた明日!」


私が手を振る。


「おう。」


「またな。」


「気を付けて帰れよ。」


三人がそれぞれ返事をする。


私はそのまま家へ向かった。


そんな後ろ姿を。


三人が見つめていたことも知らずに。


春の風が吹く。


そして。


誰にも言えない恋心もまた、静かに動き始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ