夏の足音
こんにちは。
現実とは違い、この作品では一足早く7月になろうとしています!
梅雨の雨も梅雨明けも苦手ですが、
6月も乗り超えていきましょう!
体育祭が終わって一週間。
学校はすっかりいつもの日常を取り戻していた。
だけど。
どこか少しだけ違う。
「暑い……。」
私は机に突っ伏した。
六月も終わりに近付いている。
窓の外からは蝉の鳴き声が聞こえていた。
「まだ六月だぞ。」
隣の席から湊がにつぶやく。
「六月だから暑いんだよ。」
「意味分からん。」
「湊にだけは言われたくない。」
サッカー部の湊は毎日外を走り回っている。
暑さ耐性が違うのだ。
「そういえば。」
湊が言った。
「あと一か月くらいで夏休みか。」
「早いね。」
私が答える。
高校二年生になったと思ったら。
もう夏が来る。
時間が経つのは本当に早い。
「夏休み何する?」
「寝る。」
「終わってる。」
「最高じゃん。」
二人で笑う。
その何気ない時間が心地良かった。
最近。
湊と話すと少しだけ緊張する。
理由は分からない。
分かりたくない。
でも。
以前とは何かが違った。
「伊吹。」
名前を呼ばれる。
振り向くと陸だった。
「ん?」
「これ。」
机の上に置かれたのは紙パックのジュース。
「え?」
「購買。」
それだけ言って席へ戻ろうとする。
「ありがと!」
私が笑うと。
陸は少しだけ顔を逸らした。
「別に。」
その様子を見ていた玲央が小さくため息をつく。
「大変だな。」
「何が?」
私が聞く。
玲央は首を横に振った。
「独り言。」
意味が分からない。
最近みんな変だ。
そう思った。
昼休み。
窓際でお弁当を食べながら空を見上げる。
真っ青な空。
白い雲。
夏が近付いている。
すると。
隣に座った湊が言った。
「今年の夏も楽しみだな。」
その言葉に。
なぜか胸が少しだけ高鳴った。
昔から何度も一緒に過ごした夏。
海も。
花火も。
お祭りも。
全部。
湊たちと一緒だった。
なのに。
今年は少しだけ特別な気がする。
「どうした?」
湊が不思議そうに聞く。
「なんでもない。」
私は慌てて首を振った。
きっと気のせい。
そう思うことにした。
放課後。
窓の外では夕日が校舎を染めていた。
帰り支度をしながら。
誰かが言う。
「あと少しで夏休みだなー!」
教室中から歓声が上がる。
その声を聞きながら。
私はふと窓の外を見た。
今年の夏は。
どんな夏になるんだろう。
そんなことを考えながら。
知らないうちに。
私の視線は湊を追っていた。




