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ササクレスト  作者: サキ
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ぷるぷる

再び清水寺に戻ってきた。またしても行列を前に両者足がすくんでいる。

僕にしか聞こえない声で「プルプル、私は悪いスライムじゃないよ」と言った先輩は人に酔ったのか青い顔で小刻みにビートを刻んでいる。既視感しかないオールブルー。オールグリーンとはいかないらしい。人混みという先輩の明確な弱点がわかったのは少し嬉しいが借りてきた猫のように大人しくされてもつまらない。覚悟は決まった。


冷たい白を握りしめ列に突撃した。


二人とも上手く泳げない魚の様に人の川にただ流された。道中、何か話したような気がしなくもないが、それらの会話は休まることのない濁流に流れた。


「これ、雑誌とかテレビで見るやつやん。」いわゆる本堂と呼ばれる場所に到着すると一気に白さを取り戻した先輩は地元、京都人とは思えない反応を見せる。

「実際に目にするとまた違った感動を味わえますね。」同意する。高く、それでいて辺りの空気は澄んでいる。ただただ壮大さを感じる。

ふと、この画面越しには得られぬ感覚は球速表示と似ていると思った。画面越しに野球を見ると名前の通りにスローに見えるスローボールも実際にバッティングセンターで100kmという速度体感するとあれほど早い球はないと思わされる。この景色も足を運んで感じてみなければ分からない。雅だ。

そんな絶景にあてられた僕は「一緒に飛び降りますか。」

と誰もが一度は言ってるだろう台詞を先輩に試してしまった。

先輩は似合わない、何処か儚さを感じさせる微笑みと共に「ええよ。」と一言返した。

本日は晴天だというのに落雷に直撃してしまった。大脳から爪先にかけて激しい痺れを感じる。全身にポツポツと鳥肌が立った。

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