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秘知ら陰譚-私が怪盗になって知ったことー  作者: 翠雨 ユイカ
心の靄とアクティブワンダーランドの霧
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29 妖力で出された子が可愛いです。


なんとか終わらせられるか……?

「合図はウケイがしてくれるので、それまで待機です」

「分かった。気を付けてね」

「私に何か起こるって勘が言ってるんですか?」

「なんとかなるって言ってるよ」


(否定はしない、と)


 私は辻村さんを残して西階段を後にし、どうやって四人を引き寄せるか悩んでおります。

 変化して誘ってもいいし、狐火を見せて火事だと思わせ、一か所に集めてもいいんだよな。


 できれば妖力が残らない方がいいから変化する?

 でも人影見えたとたん銃ぶっ放したり、殴りかかってこられちゃ困るんだよなぁ。


 狐火は狐火で一番妖力残るし、火災報知機はなるだろうし。


 むしろ妖力を使わず行くか。

 何か小さいものを投げて音を鳴らすとかこの消している気配を一瞬だけ出すとか。


 むしろ出さない方がいい。

 たまに妖の警察がいたりするし。


 ウケイちゃんによると見回り三人はバラバラに動いている。


 全体を一気に相手をすることはしない。

 力の差が大きいから時間がかかってもその方が安全。


 一人ずつシメる。


 一番近くにいた見回りの近くに安全ピンを飛ばして音を立てる。

 ていうか、何で安全ピン入っているの?


 音に反応した奴が音のなった場所を一瞬見た。


「Not that way.」(そっちじゃないよ)


 見た目が外国人なのでとりあえず英語で話すことにした。

 すぐお眠りになったけど。


 この人は囮にすることも一瞬考えたけど、他の見張り役が集まってくれたらいいんだけど、連絡されるのは嫌だな。

 運べるかなぁ~。


 外国人で筋肉もあるから無理そうだね。

 あ~ミスったなぁ~。


『あ~……時間は大丈夫だから他の見回りを先に仕留めてね』


 ごめんね~。

 連絡されないようにだけ気を付けます!


 あ、英語圏の人で間違えなさそう。

 一番最初に倒した人のスマホを確認する。


『十五秒後、二人目来るよ~』


 なるべく固まってもらえると助かるから、こっちに誘うか。

 やっぱ使う? 妖力。


 とりあえず幻覚にしましょうか。

 そんな得意じゃないしそんな使ってないんだけどなぁ。


 私は物陰に隠れ、自分がどこまでできるのかも確認するため、少し覗く。


 幻術に一番必要なのは想像力。

 さらに存在しない人を生成しなきゃいけない。


 とりあえずやられたと思って勝手に気絶してもらうのが一番。

 強そうに見えないけど、強い人……辻村さんと晃さん?


 ポンッ!(Rにしか聞こえないよ!)


 あ゙~! 二人そっくりな人ができちゃった!


 倒れている隣あたりに動かない二人が立っている。


 混ざれ~? 混ざれ~?

 と念を送っていると二人が動き出し、合体をし始めた。


 ……何かグロい……。


 完成したのは割と晃さん寄りの見た目の男性。

 二人の間に子どもが生まれたらこんな感じに育つんだろうか。


 眺めていると、動き出し、さっき倒したやつに近づきツンツンしている。

 性格は割と辻村さんよりなのかも。


『あと五秒……三、二、一』


 来た。


「Hey! Who are you?」(? おい誰だ?)

「……」


 喋れはしないようにしたけど「やったあ、来たね!」って言う表情が伝わる笑顔。

 笑い方が辻村さんそっくりです。


 ふらふらと近づき、左手の拳を握る。

 相手が敵だと判断したのか相手も攻撃を仕掛け始めた。


 左手を飛ばすかと思いきや、右足で相手の態勢を崩し、首に手を回す。


 三秒ほど絞めてから離し、一人目が倒れているところまで逃げる。

 彼の思い通り、付いてくる。


「Get back here!」(待ておらあ!)


 飛んでくる拳を華麗にしゃがんでかわし、伸びた腕を掴んで両足を思いっきり相手の腹に向かって蹴る。

 相手の腹の上に跨って乗り、こっちを向く。


「ありがと~」


 最後に仕上げで睡眠スプレーをかける。


 ああ、実際に彼には術者の私以外触れられないよ。

 幻覚だからね。


 だからカメラ越しでみたらすっごい変な動きをしているはず。


「……」


 何か不満そうな顔をしているけど、どうかしたのか?


「どうしたの?」


 すると彼は私の手を取って自分の頭に乗せる。


 ああ、ご褒美が欲しかったのね。

 この行動はどちらに似たんですか……?


 って言うか、私どちらのこんな行動も知りませんけど、私の想像の範囲しか出ないはずなんですが。


『どうしたの?』


 ああ、ウケイちゃんには見えないのか。


「何でもないよ。ちゃんと個人の判断で動くから南階段の方に向かわせるね。向こうの階段にいる悪いやつを一人倒して戻って来て」


 辻村さんが「い~よ~!」と言い出しそうな顔で向こうの方に走っていった。

 意外と使えるんだな。


 これ並みの自我を持った幻術は数日に一回ぐらいしか出せないけど、もっと使ってもいいかも。


 戦闘をすると体力使うし、出迎えてすぐ何もさせずに倒すか。

 ウケイちゃんも曲がり角に近づく私を見て察したのか


『遭遇まで五、四、三』


 と言ってくれた。


『二、一』


シュー


「Sweet dreams~」(おやすみ~)


(あ、もうスプレーなくなっちゃった)


「こっちは終わったよ~。ちゃんと戻ってきたし、辻村さんは出て大丈夫。私は西階段に戻る、でいいんだよね」

『おっけ~。まだ使えそう?』

「ああ、この子? いけなくはないけど、見張り二人とは真正面から戦うことになりそうだし、そもそも、実態があるわけじゃないし。そこで消えちゃうかも」


 頭をなでなでしながら答える。


『りょ~か~い』


 ウケイちゃんの返事の後辻村さんに指示を出していた。



  教えて、檸檬ちゃん! ~幻術ってなあに編~

 幻術っていうのは術師本人以外は触れることのできない妖狐の使える能力の一つ。

 あ、蓮は出来ないよ。


 さっきも言った通りイメージが大事で自我を持たせるのも本人が勝手に動くまでの想像とそこそこの妖力量、訓練が必須。

 人型自我持ちを作るのには基本的誰かをモデルにして作られることが多いよ。


 昔は九尾一代目の弟側が子孫繁栄のために使われたとかって説明されたような気もする。


 そこそこの妖力量とは言ったけど、九尾直系の私でさえ一日にこの子並み二体を作るのは絶対無理。


 それに現代となっては幻術はそんなに使わないから、まだ慣れてないし、結構体力と妖力が削られる。

 妖力はそこまで心配してないけど、体力は出来るだけ温存しておきたいんだよね。


 あと、何回も言うけど実体がない。

 つまり、攻撃は効かない。


 蹴られていると感じてすぐ眠らせてるから効いた。

 戦闘に関しては長期戦になればなるほど不利になるんだよね。



「じゃあ今度はこっちに行こうか」


 幻術で出した子の手を掴んで次の私がやるべきことをするために西階段に歩き出す。


―おまけ―

(辻村さん視点)


『おっけ~まだ使えそう? ……りょ~か~い。辻村さん、南階段に移動して下さ~い』

「は~い」


 ウケイくんの指示はイイチくん側に出しているのは聞こえないけど、アルちゃん側とは丸聞こえ。

 僕が付けているのはアルちゃんの予備っぽいし、同期されているのかな~。


『あ、辻村さん。おねがいなんですけど、南階段にいる監視さんの状況を見ても驚かないでくださいね。アルちゃん本人がやったわけじゃないので。あとででいいので一応病院連れていってください』

「何かあったの?」

『何も言えない……けど、さすがにカワイソウなので……』


 どういう意味何かが分からなかったし、ついても何が起きたのか分からなかった。


「外傷はなさそうかな。特に殴られた形跡もないし、気絶しているだけ」

『あ~……そうなんですね』

「キミの言う通り病院には連れてくよ」

『ありがとうございます』


(南階段見張り視点、翻訳済み)


 見張りのすることはないし、何か起きるわけでもない。

 一番弱いから戦闘要員として使われることもほとんどないし、暇だな~。


 そう思っていると、階段下から人が上がってきた。

 見た目からおそらく日本人。


 ここのスタッフでも警察でもなさそうな弱そうな奴。

 俺でも勝てる。


 そう思って一瞬、瞬きしたとたん踊り場にいたのが目の前までやってきた。


「!?」


 驚いている暇もなく何発も殴られた。

 五分……いや、一分ぐらいか。


 もっともっと短かったかもしれないが、一瞬で倒され、何か薬を飲まされた。


 吐き出してみれば赤色の液体が出てきた。

 飲まされたのはもしや毒……!?


 俺のそこからの記憶はなかった。

~おまけの補足~

南階段の人が見ていた幻術一覧

・晃さんと辻ちゃんが混ざった幻術の人

・なんか飲まされた薬

・吐き出した謎の赤い液体

要はノセボ効果っていうのが働いたのかもね~。

ウケイくん視点、アルちゃんは数階下のフロアにいるのにいきなり倒れ出したから心配したみたいだね~


翻訳、AI使ってるよ~


翆「皆さん! 後回し、やめましょう!」

小「急に何? 分かってるとおもうけど?」

翆「いや、今日、檸檬たちの誕生日でして」

小「たち?」

翆「あ、檸檬の従兄の碧も同じ誕生日なんだ☆ で、番外編でも載せようかな~って思って一週間ぐらい前まで、考えていました。作成に取り掛かったのは昨日。しかも本編は書き始めないまま」

小「あ、間に合わなかったのね」

翆「あるじゃない? 誕生日の遅刻とか、記念日遅刻?」

小「みんなぁ! 時間は守ろうね!」

翆「いつにも増して明るい!」

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