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秘知ら陰譚-私が怪盗になって知ったことー  作者: 翠雨 ユイカ
クリスマスは四人の怪盗、それと敵?
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15/32

14 狐宮家の姉妹はどこから見ても美沙子さんの娘☆

 家に帰ってから朝ごはんを済ませ、伊予と芹那がリビングにいる時。

 二階の勉強部屋から行けるバルコニーで蓮に電話を掛ける。


 ちなみにバルコニー、テラス、ベランダの違いって知ってる?


 ベランダは屋根あり・外に張り出したスペース。

 バルコニーは二階の屋根なし、テラスは一階の屋根なしらしいよ。


「さっきぶりだね~蓮」

『はい、さっきぶりですね……檸檬さま』

「私、ちょ~っと三人で何を話してたか気になるんだけど、何話してたの?」


 大して怒っているわけではないがちょっと圧をかけた喋り方にする。


『今はまだ言えないです……あ、それより今日の昼過ぎから空いてます?』

「空いてるけど……なんで?」

『東京、行きましょうよ!』


 なぜ東京?


『一時ごろに迎えに上がるので準備しといてくださいね!』

「いや、何で!?」


 聞く暇もなく電話は切られてしまった。

 電話が切られたのでバルコニーから部屋に戻りながら「謎……」と独り言をつぶやくと、

「檸檬はそういうのに疎かったか」とケイに言われた。


「そういうのって何?」


 聞き返すとケイは「出かけるところがあるから」と言って出て行ってしまった。


「謎……」


 疑問でいっぱいの中、下に降りると、沢山の服たちが並べられていた。


「芹那さん、伊予さん? 何をしていらっしゃるのですか?」

「服選びよ。檸檬も手伝って!」


 え、何? 誰の?


 この服はランニング中、芹那が自分の家にちょっと寄って取ってきた大きなカバンに入ってたものなんだろうけど……。


「シミュレーションしてみて。とあるカップルが新宿にクリデートに行きます。その時の服装は何がいい?」

「情報少なッ!」


 私、そういうのあんまり詳しくないんだけどなぁ……。


「そうだなぁ……その人のタイプに寄るけど、黒タートルと灰色のチェスターコートで黒スキニーにショートブーツでいいんじゃない?」

「う~ん……いや、私はこれとこれとこれ。あとこれでどうかな」


 芹那も別の組み合わせを出してきた。


「ただ、男性の方の組み合わせにもよるから分からないよね……」

「そっかぁ……お母さんはどっちの方がいいと思う?」


 大量の服の量をみて驚いているのかちょっと離れたところで見ていた蜜柑さんに伊予が問う。


「どっちもいいんだけど、芹那ちゃんの方が私好みかな~」

「じゃあ私の方で決定ね」


 芹那の淡いブラウンのニット、クリーム色のスカート、ロングコート、ブラウンのブーツになった。

 伊予は四つを写真に撮りスマホを何回か操作した。


「しばらく待ちかな。じゃあメイクを決めていかなきゃ、ね?」


 二人とも笑顔なのに、笑顔じゃない。

 なんで私にそんな笑顔を見せるんですか?


♢♢♢


 芹那さんや伊予に言われて檸檬さまと新宿に行くことになった。


 檸檬さまに一時に迎えに行くと伝え、電話を切ってすぐ。

 家のチャイムが鳴り、気配から圭理が来たことが分かる。


「圭理? どうかしたか?」

「伊予と芹那からのおつかいだ。今いいか?」

「ああ、いいけど……上がって?」


 出迎えると大きな袋を持った圭理がいた。

 なんかすごく急な話だが、伊予と芹那さんからのおつかいってことは何か知っているのか?


「初めまして、美沙子さん。檸檬の従兄の圭理です。本日は妹からの命令で蓮先輩のデートコーデを決めて来いとのことで参りました」


 母に丁寧にあいさつする。


「……どうも……ん? まって、今、デートコーデを決めに来たって言った?」

「はい」

「相手は誰? 私の知ってる人? 学校の子? 年上? 年下? 彼女? 彼氏?」

「ちょちょちょちょ、いや、質問多い!」


 バァン!

 ドアが破られるんじゃないかって心配になるほど大きな音を立てて扉が開いた。


 自室から出てきたのは姉、璃乃だ。


「蓮くん、彼氏、居たの?」


 般若の顔というわけではないが、すっごい怖い顔の姉貴。


「お兄ちゃん、彼女いたのぉ……?」


 階段からは姉と似た顔の妹、零がいる。


「あのお兄ちゃんに彼女ぉ……? 信じられないぃ。だってぇ、裸でお風呂入るし、トイレではズボン下ろすし、六歳まで女湯に入ってたあのお兄ちゃんだよぉ……?」

「いたって普通だな! 風呂入るのに裸にならない奴いるか!? トイレに行くのにズボン下ろさない奴いるか!?」


 何が問題だっていうんだ。


「初めまして、お姉さま、妹さま」

「お義姉さまって言った……? もしかして、この子なの!? この子が蓮くんの彼氏なの!?」

「お兄ちゃん、両性愛者(バイセクシュアル)だったの……?」

「義はついてねえし、圭理は彼氏じゃねえ!!!」


 妄想癖がありすぎだろ!


「こう見えて女の子なのぉ?」


 圭理の胸をツンツン触る零。


「本当に女の子だったらどうするんだよ」

「ただの後輩です」

「つまんないの~」


 姉貴? 何が「つまんない」だって?

 腐女子なのは構わないが、弟で想像するのはやめてほしい。


「璃乃も零も落ち着いた? 圭理くんごめんね~。血は争えないみたい」

「構いません」


 そう言いながら大きなカバンからせっせと服を出し始める。


「……檸檬は今日、この服を着て来るそう。これに合わせる」


 と言いながらスマホの画面を見せてくれた。

 俺が見るよりも早く母と姉と妹が覗き込み、圭理の持ってきた服たちと見比べてその中からそれぞれ選びだした。


「なに勝手に選び出してんだよ!」


 と言っても聞かない。


「絶対全部黒の方が檸檬さまを際立たせられるね!」

「い~や、ここはあえてラフな感じでいくのぉ!」

「王子感出さないと! 檸檬さま()に仕える王子さま!」


 三人で喧嘩が始まった。

 すると「……あの三つの中からどれがいい?」と圭理に聞かれた。


「どれでもいいんだけど……零のが一番楽そう……?」

「えぇ……」

「なんだよ、ファッションを楽に物差しで決めちゃダメだろみたいな顔しやがって!」


 実際はそんなに表情が変わっていないが、なんとなくそんな顔をしている。


「じゃあ美沙子さんのでいくか」

「なぜ???」

「ユイちゃん好み」


 表情がなんとなくドヤッとしている?

 っていうか、おいメタいぞ。


 俺の服は結局全身黒でタートルネック、ロングコート、スキニー、軽量スニーカーとなった。


 小物となるのは黒マフラー、黒手袋、細いシルバーネックレス。

 無造作ヘアーと四人に囲まれわちゃわちゃやられた。


♢♢♢


 一時ごろになり、蓮が迎えに来た。


「お待たせしました」

「お迎えありがと。(なんで東京行くか知らないけど)行こっか」


 そう言って出発する。


 私の小物は白のふわふわマフラーにベージュの小さなショルダーバッグ。

 お母さんから貰ったピアスを付けている。


 そして緩く巻いたハーフアップにナチュラルメイク。


「蓮、決まってるね。自分でやったの?」

「いや、圭理がうちに来て、母さん達と一緒に決められちゃいました」

「あ、圭理の出かけるってそっちに行ってたんだ。うちもそんな感じ」


 三人の仕込みは凄いなあ……。


「檸檬さま、ピアス開けてましたっけ?」

「普段は髪の毛で隠してるんだけどね……こないだ開けたの。今もちょっと痛い」

「すごいですね。自分にはピアスを開ける勇気ないです」

「お母さんの形見だし、できるだけ付けておきたいなって。めちゃめちゃ怖かった」


 晃さんについて来てもらって、お店で開けたんだけど、逃げ出そうかと思ったよね。


「俺も、機会があったら開けると思いますが、怖すぎて開ける気になれません」

「……私が開けてあげよっか?」

「……! いくらでも! 檸檬さまなら何か所でも開けていいですよ!」

「そんなハチの巣にする気はないからね!」


 そんなふうに会話をしながら駅に向かう。


 歩いているとき、ふとこれがクリデートと言っていたことを思い出した。

 せっかくならカップルっぽいことしようかな~っていう思いが出てきた。


 しばらく考えてから、蓮の左手を取って、恋人繋ぎをした。


「れもッ……」


 蓮の顔が途端に赤くなる。


「デート、なんでしょ? ちょっとはそれっぽく、ね」

「……はい」


 甘酸っぱい青春。

 そこらへんに転がるようにありそうだが、それはここにもあるのだ。


 まだまだ続く寒い冬。

 そんな中互いの手を繋ぎ、互いの温かさを感じるクリスマスの午後なのであった。

何すかこの初々しい雰囲気!(あなたが書いているんですよ)


翆「まだクリスマス? って思っている自分がいます(執筆当時は三月の終わりに入っている)」

小「毎日投稿」

翆「……」

小「毎日投降(・・)

翆「耳元でささやくのやめていただけます!? それに投降はしません! 今の目標は週二投稿! それが嫌なら毎日投稿するには文字数を三分の一に減らすからね!」


現在、実妹が約千文字で毎日投稿してるんですよねぇ……。

一回三千文字の私に比べたら一週間で倍以上。

妹と比べているわけではないですが、負けず嫌いなもので。

溜め書きが倍ぐらいになったら週二投稿、始めようと思います。

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