10 仲直りと仲間入り
一瞬びーえる? の表現があるかもだけど、苦手だったら無視してね!
「……ただいま………」
引っ越してきた初日みたいに伊予が駆け寄ってくる。
「おかえり檸檬!」
初日と違うのは伊予が泣いていること。
私をギュ――――――ッと抱きしめる。
「ごめんね伊予。伊予は何も関係ないのに………」
「私こそしつこくしてごめんね」
さっき泣いたはずなのに、涙が出てくる。
「ごめんね……」
♢♢♢
(どうしよう……)
二人が泣き出したころから居心地が悪そうにしているのが一名。
誰であろう、蓮である。
同じ玄関にいる中、玄関は閉まってしまったし、勝手に帰ってしまうのも何か一声かけてからがいい。
じゃあお邪魔するかと言われたらやめといたほうがいいと思う。
勝手にズカズカと入るのは客としてどうなのか。完璧なマナー違反だ。
許されるのは知り合いの小学校低学年がギリだ。
と言うわけで一歩も動けず、話しかけにくい状況のなんと可哀想な蓮である。
とそこに二人の声を聞いて圭理が来た。
二人の状況を見て、鈴木兄はとりあえず蓮先輩を中に案内しようと判断したのか、
左手で廊下を指したので俺は仕方なく二人の邪魔をしないようにお邪魔することになった。
♢♢♢
私、圭理、伊予、蓮の四人で私たちの勉強部屋に来た。
「蓮さん……蓮、ありがとう」
檸檬は蓮の前でスッと頭を下げた。
「顔を上げてください! お礼を言われる立場ではありません!」
「そう言わずに。言いたいことを言うのはダメですか?」
「ッ……ダメ、じゃ、ない、です……」
蓮の顔がちょっと赤い?
暑かったかな。
「よかった! じゃあ、ここからは真面目な話。ケイもそろそろ気が付いてるんじゃない?」
「ああ。蓮先輩。気持ちは分かりますが、自分で届けに来たのはマズかったんじゃないですか?」
「……何のことだ?」
ケイにも蓮が両親の形見の一つ、サファイアの結婚指輪を持ってきたことを伝えた。
ちゃーんと調べててくれたんだね。
にしても蓮の表情が本当に分からないかのように振る舞われてる。
演技力は下手なプロよりも断然上手。
「これ、届けてくれたの蓮よね?」
私は蓮の前に今日、届けられた二つの指輪を出す。
「何のことで? ……サファイアの指輪……もしや飛鳥さまと柚さまの結婚指輪ですか!?」
本当に知らないんじゃないかと疑うレベルのとぼけ具合。
「本日深夜未明、埼玉県○○市△△丁一丁目のビルにて怪盗ワンダーが盗みに入ったというニュースが流れていますね。ご存じですか?」
「確かニュースで見たと思うぞ?」
まあ、この辺までは結構朝から報道されてたからね。
「同時刻に女性二人組が入ったことは同じくニュースでやってましたが、知っていますか?」
「それは知らなかった。そうなのか?」
ケイの言ったセリフはデマ。
いや、本当だけど、ニュースには乗ってない。
引っかからなかったか。
「蓮。とぼけなくていい。怪盗ワンダーの正体はあなたでしょう?」
「……………失礼します」
蓮が私の口に何かを押し付けてきた!?
私の思考が回らないうちに蓮は何かを地面に向かって投げ、投げた物が地面に当たると白い煙が一斉に出てくる。
視界が悪い中、蓮の匂いが扉の方へと向かう。
「……!」
でも、扉が明ける音がしなければ、蓮の匂いはこの部屋にある。
そう思っていると視界がだいぶ良くなってきた。
効果時間は極めて短いみたい。
「ゲホッ……残念……鍵は掛けてありますよ……ゲホッ」
ンベッと小さく舌を出す圭理。
「……」
すると蓮はベランダに続く大きな窓がある方向に移動していった。
「来るなら来いやぁ! 何かわからんが、部屋から出さなければいいんでしょ!?」
伊予が行かせまいとそこを守ってくれている。
「さあ、観念しなさい、蓮!」
♢♢♢
ミッション!
なんと れん が三人の手により(ベルト三つで)お縄についてしまった!
▷ 正直に白状する
逃げる
謝る
自害する
圭理を襲う
前もそうだったが、一番最後の選択肢は何なんだよ!
「………それで? 何のためにこんなことしたんですか?」
れん は 正直に白状する(亜種) を選んだ!
「それは、蓮を………」
さっきの選択肢のせいか嫌なことが脳裏をよぎる。
「仲間に入れるためです!」
「へッ?」
いやいやいや、何の仲間⁉
「私たちを怪盗ワンダーの仲間にしてください!」
「え?」
「さっ、圭理に伝えたら連れてこいって言われただけなので私の仕事はここまで。ここからはケイにパスなので、あちらにごちゅーもく~」
鈴木兄が檸檬さまをジトーって顔で見てなくもないような……?
「蓮先輩。そこの二人が昨日の場所に現れた二人組です。じゃあ、俺らが組むことで先輩のメリットは何なのか。思い当たるものをまとめてみました」
鈴木兄とはちょっと話したことがあるが、一人称は僕だったような……?
いや、そんなことより、檸檬さまが俺の正体に気が付いていたとして、連絡できたのはうちを出発するときだけ……?
連れてくること自体が計画か、それともあの時の連絡だけでここまで立てた?
鈴木妹はそんなに理解してなさそうだが、二人が話せた時間は俺の家に来る前ぐらいだ。
それだけでここまで立てられるものなのか?
「まず一つ目として、同時進行で三人まで動けるということが強みになると思います。俺は伊予のように人間離れした身体能力はないですが、伊予も檸檬も人並み以上の身体能力があると思います」
鈴木妹の長けた運動能力は知っている。
どの種目でも、高等部の先輩に汗一つ流さず笑顔で圧勝したという噂は聞く。
「次に二つ目。事前に調べたことと現地に行った時、変わる時がありますよね。俺はそれをリアルタイムで調べることができる」
鈴木兄も世界上位のプログラミングの能力があり、成績は入学時から微動だの一位。
人とあまりかかわることが少ないとは聞いていた。
昨日盗みに入った後、家に帰ってから二人組のことを調べてみたが、情報は一切入らなかったように彼が守っていたのだろう。
どちらも俺にとってはメリットでしかない。
「三つ目。最終手段になると思いますが、囮を使うことができます」
いわずもがな一人ならできないことだ。
「俺が思いつくのはこれぐらいですかね。じゃあ、逆にデメリットをあげてみましょうか。一つ目として単独行動ならではの自由が減ります」
独断での判断が仲間の命取りとなる。事実だ。
「また、リスクが増えます。それに意見が分かれる場合もあります。パッと思いつくのはこのぐらいですが、考えればいくらでもあげられると思います」
「私たちとしては経験がある貴方に組んでもらいたいと思っている。でも、命令じゃないから自分で考えて」
(…………)
初心者三人を一気に受け持つことになると言うのは大変になるだろう。
でも、現地に行って調べたことと違うってことはよくある。
それがなくなるのは強みになる。
かといって気にしなければならないことが増えると言うのもかなり大きなリスクだ。
「……簡単に決める事ではないと思いますが、仲間に入れてもらってもいいですか?」
それでも前々から仲間は欲しいと思っていた。
自分から名乗り出てくれ、それにリスクも承知のうえでならいいだろう。
「もちろん!」
「歓迎します」
「ありがとう。ところでなんだが、鈴木妹は大丈夫か?」
先ほどから一人だけついていけてないのかいのか何も受け付けてない感がある。
そういえば鈴木妹はいつも赤点だったって聞いたことがあるな。
「伊予。つまりは怪盗ワンダーが仲間に入ったってこと。他の情報はいらない!」
「……了解」
いや、情報は本当にそれだけでいいのか!?
翆「一章、終わりましたあああぁぁ――――――!!!」
小「ご愁傷さまです」
翆「一生じゃないよ? 一章だよ?」
小「一床の方でしたか。ベット壊れたんですか?」
翆「もうそれでいいです……って言うか、蓮の五択の選択肢『自害する』は何もツッコまないんだね。危なっかしい」
小「昭和のなんかテレビブッ叩いたら治る的なものがあるってご存じですか?」
翆「急だなおい」
小「翆雨宅にはオーブンレンジがあるんですが、液晶が付かなくなりまして。タッチパネルの方はは生きているんですが、液晶が見えなかったら意味ない」
翆「無視ですか?」
小「昨日知ってても知らなくてもいいんですが今日覚えてください、翆雨弟がバーンとやりまして、液晶生き返りました(^^)v」
翆「その後、最後の輝きだったようで消えましたがね。配線の問題でしょうか。我が家は基本ご飯ですが、週一でパンなので食べれないのは悲しいです」
※翆雨セイユとは私の分身でありながら弟です。カクヨムの名義です。




