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13 ステータス



「ふわぁ~ すごい部屋だね」

「だな、完全に貴族様用の部屋だ」


 ロビーでカギを貰い部屋に入るとそこは豪華の一言だった。

 天井にはシャンデリア、窓は綺麗なプリーツがいくつも入った白ピンクのカーテン、壁には絵画が飾られてる。芸術には疎いので良さは分からないが、シンプルながら光沢のある額縁に飾られてることから高額なのだろう事は分かる。棚に置かれている花瓶と飾られた花も部屋の雰囲気を壊していない。

 迂闊に花瓶を壊したらと思うと怖い。此処に一ヶ月も泊まれるのは良いが、アパート一人暮らしの俺としてはちょっと落ち着かないな。


「取り敢えず風呂入って寝よう。明日は教会に行ってステータス診て貰ってから冒険者ギルドで登録だ」

「教会?」

「ああ、人のステータスは教会にある水鏡でしか確認出来ないんだ。仕組みは謎だけど俺が火魔法を使える理由を知っておきたいんだ」

「なるほどね~ 理由は何と無く分かるけど……」

「女神の加護の事だろ? それでも自分の目で確認したほうが理解しやすいと思うんだ」

「それもそっか」

「異世界小説みたいに〈鑑定〉があればなぁ」


 窓側のベットに荷物を置き体を投げ出して思い出してみる。

 この世界に〈鑑定〉と言うスキルは無い。似た様な物では〈識別〉が有るがこれは物の種類や仕様を知るもので人のスキルは診れない。


「あるよ」


 同じく残りのベットに荷物を置く為に俺に背を向けていた絵美が、やや顎を上にした横顔を此方に向け渋めの声で言った。

 人気ドラマの脇役で、barなのにどんな食べ物も出すマスターの真似をしてるようだ。

 いや、それどころじゃない!!


「マジ? 有るのか? ……〈鑑定〉」

「マジマジ、これが女神様に貰った二つ目だよ。お風呂入ったら見せ合いっこしようか?」

「お、おう」


 マジでチートだなと呆れ返るが、異世界小説の知識が基本の彼女としては〈鑑定〉は持ってて当たり前な考えなのだろう。だからだろうか、そんな絵美は見せ合いっこなどと簡単に言ってのける。

 本来冒険者が自分のスキルを教えるなんて事はしない、自分の命に関わる個人情報だから。

 教えないんだが……絵美なら構わないか。お互いの手の内を知っている方が今後の行動もとりやすいし前世の俺も仲間には伝えてたしな。

 

 俺達は直ぐに浴場へと行き、待ちきれない俺はもう部屋へと戻ってきてしまった。女性の風呂がこんなにも時間が掛かるとは知らなかったから。


 * * *


 身内以外で見る風呂上がりの女性は妙に色っぽく感じるなと馬鹿な事を考える俺の前で、絵美は目を閉じ手を胸に当て集中している。まだスキルの使い方に慣れていないからだそうだ。

 

「まずは私から。〈鑑定〉」


 静かに目を開いた絵美がスキルを発動させると、彼女の前に半透明の板が現れた。

 通常は自分だけしか見えないが、彼女の遺志により他人にも可視化出来るらしい。


「異世界の小説のスキルボードみたいだな」

「たぶん女神様が私の記憶から作り出したんだろうね。そこじゃ見えないだろうからこっちに来て」


 そう言って俺を横に座らせてボードを見せた。


 【横山 絵美】 女性  17歳

 (体力) 1000⦅女神の加護⦆

 (魔力) 9999⦅女神の加護⦆

 (打撃) 43/100 (魔撃) 99/100 

 (防御) 50/100 (知性) 88/100

 (俊敏) 50/100 (器用) 88/100


 (スキル) 上級聖属性魔法⦅女神の加護⦆

  《スキルアーツ》 ハイヒール EXヒール ワイドヒール 

           セイントシールド ホーリーレイン

           ホーリージャベリン  


 凄い、本当にチートだ。


「無茶しなきゃ生きて行けるだったか、その通りだな…… って、多少の無茶やっても大丈夫な値だろこれ」

「そうなの?」


 この絵美のステータスは既に上級冒険者を超えている、最上級に近い上級だ。魔力なんてカンストだ。

 因みに戦闘系で上級冒険者の凡その数値は、


 (体力) 1200

 (魔力) 400 



 となる。魔法使い系の冒険者は(体力)と(魔力)の数値が逆になると思ってほしい。

 その他の数値は職業や個人差で違っていて、例えば(知性)なら魔法使いや商人、(器用)なら生産職や戦闘系等が高いといった具合。なので此処では割愛する。

これが中級冒険者だと、


 (体力) 600

 (魔力) 120


 で、前世の俺はこれより少しだけ上だった。絵美のチートさがよく分かるな。抑えていた俺の劣等感が再び頭をもたげた。


「うん。じゃあ、次は比呂君だね」


 暫しボードを眺めていた絵美は自分の立ち位置を理解したように一つ頷き、続いて俺の鑑定の為に集中を始めた。

 次の瞬間彼女の前に再びボードが現れる。

 急に心臓の鼓動が早くなった。もしまた能力が低かったら、もし前より酷かったら、そんな考えが頭の中を巡っていた。

 目を閉じたくなるが、それでも気になる感情が勝っている。俺は恐る恐るボードを覗き込んだ。


 【高橋 比呂】 男性  17歳

 (体力) 1000

 (魔力) 1000

 (打撃) 78/100 (魔撃) 80/100 

 (防御) 70/100 (知性) 80/100

 (俊敏) 80/100 (器用) 88/100


 (スキル)中級(+)弱体化魔法  初級火魔法⦅女神の加護⦆ 

      初級水魔法⦅女神の加護⦆ 初級土魔法⦅女神の加護⦆ 

      初級風魔法⦅女神の加護⦆ 初級光魔法⦅女神の加護⦆       

      無属性魔法⦅女神の加護⦆ 

  《スキルアーツ》 デバフスピード デバフディフェンス 

           デバフパワー ナノファイア ナノウオーター 

           ナノブリット ナノウインド

           ナノライト 身体強化 ショートムーブ


「なっ…… 全属性だと……」

  

 驚いた。あまりの驚きに、早かった心臓の鼓動は今度は止まりそうだった。


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