12月13日
今日はビタミンの日に制定されている為、商店街では米ぬかが安くなっていると思う人は多いだろう。
しかし商店街では夏祭り以上に露店が並び活気に満ち溢れていた。
今日は例年よりも寒く、雪が軽くパラパラと降っていたので雪女と散歩しながら、商店街に降りてきたがとんだミスマッチかもしれない。
「ラーメン屋閉まってるね」
いつもなら空いているはずのラーメン屋に避難しようとしたが、暖簾は下ろされていた。
露店で何か買って帰ろうと思い、来た道を戻ろうとした時、後ろから声がかかった。
「少し待っておれ、今開けるからのう」
声の持ち主はいつもより煌びやかに着飾った女将さんがいた。
「ちょ、始祖、何その格好」とか言っていつもなら笑いそうな雪女は彼女の格好を見て「あー、なるほど」とつぶやいた。
何処か思い当たるふしがあるようだ。
カウンター席に腰かけ、雪女とメニューを眺めていると、着替えた女将さんが雑煮を出してきた。
彼女のはもちろん冷やし雑煮である。
それ本来は夏の食べ物だからな。
「何でロ……女将さんはあんな格好してたんですか?」
カウンターを挟んだ目の前で餅を煮ている女将さんに問いかけたつもりだったが、隣の彼女がその疑問に答えた。
「氷上それはね、ロリババアがここの土地神だからだよ」
「正確には3人のうちの1人じゃがのう。雪女は挨拶回りしてなくていいのう?」
「基本始祖は部下に任せるんじゃないの? あと丁寧なの鬼くらいだけじゃない? ウカミもミナカミも適当だと思うけれど」
ただの人聴いていていいの? この会話。あっ、雑煮に枝豆が入っている。
「あいつらは人に向けて商売してないからのう、わしなんかバリバリここの商店街と関わっておるしのう」
雑煮を食べ終えると、ぜんざいが出された。
雪女のものはもちろん冷やしぜんざい。
ぜんざいの甘さと温かさにしたつずみを打っていると、裏手の扉から季節感を間違えた甚平紺髪のポニテと今川焼の神様が入ってきた。ついでに桃色の髪の鬼。
「おつかれー、寿司持って来たぞ」
正月前だと言うのにここはにぎやかだった。




