47/50
12月7日
フィギュアスケートの世界ランキング1位の誕生日の今日は、キケロが暗殺された日でもある。
そんなこんにち、商店街ではクリスマスツリーが特売されていた。
「かっちった」
こたつむりになってゲームをしている雪女の目の前に、120㎝のポットツリーを置く。
「ひかみって商店街の売り上げに毎日貢献しているよね」
「買いたくなる商品をチョイスしている商店街が悪い」
「子連れを除いたら買うのひかみくらいだと思うよ、流石にツリーは」
「他に特売してるのなかったの?」
「お札チョコ」
「何で?」
「多分、秋田の偽札事件からかな」
「チョコは買ってないのね」
甘いものが食べたかったのか、雪女は少しだけ残念そうな顔をした。
「ツリー持ってたからな」
なので今日の夕食は冷蔵庫の中の余り物で。
「飾りは?」
「買い忘れた」
まったくと、コントローラーを置いて、彼女がツリーに手を向けるとツリーは氷の飾りを着飾った。
透明のベツレヘムやベル、トナカイに雪の結晶などなど、それらは部屋の照明の光を反射し煌めいていた。
ただ部屋に氷の造形が溢れた事で、温度が下がった気がする。
「さっむ!!」
「炬燵入りなよ」
雪女にこたつに誘われて片足を突っ込めると
「つっめた」
「冷やしておきました」
そう言って笑った彼女の笑みは久しぶりに見たような気がする。




