10月13日
今日はおよそ130年前にグリニッジ天文台を通る子午線を経度0とすることが決まった日。
先程ウカミさんが、さつまいも、栗、かぼちゃ、鮭、キノコを差し入れに来た。
彼女の目的はコンビニの冷凍今川焼。
わざわざ雪女を連れて行ったのは認識の歪みがあるとかで。
そう言えば夏祭りの日も彼女の屋台は閑散としていた。
「たっだいまー」と雪女が元気よく帰ってきたのは、彼女の好きなアイスが買えたからだろう。
隣のウカミさんも冷凍今川焼のパッケージを手に持ってソワソワしている。
「ヒカミヒカミ」
「はいはい、鍋が終わったらレンジで温めてあげますからね」
「本当だぞ?」
本格的なホットスナックシーズンが始まったらコンビニの前でたむろしてそうだなこの神様。隣にアイスを食べる雪女を添えて。
食卓に着物姿の美人が2人もついていると、自分も着物を着た方が良いのかと考えさせられる。
今は少数派だからかと思ったが、いつも少数派っぽいので、外ではなく自宅だから考えてしまったのだろう。
「そういえばぜんえもん黄泉の国におらんかった」
自分とウカミさんは鍋をつついて、雪女は取り分けて冷やした物を食べている最中、ウカミさんが話題を切り出した。
え、ぜんえもんまだ生きているの? そんな疑問を持つと雪女が答えを出した。
「きっと狭間に落ちたんでしょ」
「おそらくな、今度そっちを探してみる」
「案内狐を忘れないようにね」
「ああ、あそこは神でも迷う」
「ぜんえもんさん? に会って何するんですか?」
「多分死んでいると思うけれど感謝をな」
丁寧な神様だ。
「じゃあ今度ウカミが帰ってきたらオールシーズンの東京の今川焼屋を廻ろうよ」
「凍神は何を食べるんだ?」
「アイス!!」
彼女の方が高くつきそうだ。




