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10月31日

 今日はオランダの画家ホッベマの誕生日。

 彼の経歴には不明な点や矛盾している箇所があるが、自分は彼の風景画に小さく描かれている旅人が好きだ。

 スマートフォンで彼の絵を眺めているとインターフォンが鳴った。

 玄関のドアを開けるとそこには、鬼の格好をもした雪女と雪女の着物を纏った女将さんがいた。

「「とりっくおあとりーと」」

「かぼちゃのケーキがあるから手洗いしておいで」

「わーい」「はーい」

 大きな子供。

 すっごく大きな子供、どちらとも100歳は超えているくせに。


 雪女は自身の力で氷の角と牙を生やして鬼だぞ~みたいな感じ。

 女将さんは銀色の髪のせいか、雪女の白い着物を纏って目を瞑って紅い瞳を隠せばそれっぽい感じ。

 瞳かくして角隠さず。


 かぼちゃのケーキを取り分けていると、女将さんが自然にうちの急須を使ってお茶を入れ始めた。

 彼女も分かっているので2人分の温かいお茶を湯呑に入れた後、冷蔵から冷たいお茶を取り出してグラスに次いだ。

「おかみとひかみ夫婦っぽいね、私こどもー」

 確かに今彼女が雪女の着物を身に纏っているせいか、違和感がないので雪女のいう事もあながち間違ってはいない。

 氷上、氷上と女将さんが手招きするので耳を近づけると「わらわ2番目でもいいのだぞ?」と囁いてきた。

 やばい。なにがやばいってこの家で最年少になってしまう事だろう。それくらいしかデメリットがない。

 とりあえず、考えすぎるのも良くないので話題をずらした。

「雪女、今日のコスプレは猫じゃないんだな」

 ぶふーっっ!! っと雪女は飲んでいたお茶を噴出した。


 そんな感じで氷上家の秋の夜長は賑やかだった。


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