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4月1日

 久しぶりに書いている物での、小説の形式が変わっているのは気にせんでくれ。

 まあ、わらわがな、形式を整えるのめんどくさいだけじゃがの。


 流石にな、文句や苦情を書いてくれればの、整えるぞ。

 あ、パン屋のいつも形式違くてすまんのう。

 本日は、バカのバカによるバカのためのバカ騒ぎである。

 なぜならバカは嘘を見抜けずそれを真実だと思えないからである。

 そもそもこのエイプリルフールという虚構との輪舞は、誰が始めたのか起源が明らかになってはいない。

 遠い国では虚構新聞を禁止とする発令がでたとか。

 まあこんなバカ騒ぎにのる俺も、私もバカということか、な。

 英国は正午を回ったところで嘘を明かすらしい。他は1日中だとか。きつくないか?

 まあ俺は、私は、すぐ明かすけどな、ね。



「雪女、ちょっといいか?」

「ん? どしたのその人」


 質問に質問が返ってきた。

 今、俺の右隣りには女将さんが立っている。

 女将さんは良く行くラーメン屋の店主で鬼である。長い銀髪を後ろに括り、額から黒い角を2本生やしている。今日はラフだからか着物ではなく、薄紅梅のセーターに紺のジーンズを着ている。

 なんか始祖だとか言っていたが、雪女の反応を見る限り知り合いではなさそうだ。


「以前からこの人と付き合っててな、本日籍を入れる事になった」

「へぇ~、めでたいじゃん。だからこの頃帰りが遅かったのね」


 思ってた反応とはかけ離れていた。凄く薄い、凍らされると思っていた。あとそれ普通に残業だからな。


 えええぇぇえぇぇえぇぇ、なんでなんでなんで。なんで氷上が鬼の始祖と知り合いなの!!!???

 なんでなんでなんでなんで。

 ……………………。

 ひとまず私もプランを遂行しなくちゃ。


「私も報告する事があるから。ちょっとさ、睦ましく、さテーブルの椅子に腰かけて待っててよ」

「おう」


 素っ気なく返事をし、テーブル椅子に並んで座る。


(なあ、氷上よ。嘘とはいえ、お主らの仲を引き裂いてしまいそうなのだが……。大丈夫か? ぷっ、お主酷い顔ぞ)

(分かんねえ、もう全てが分かんねえ)

(まあ、後のことは事実が追い付いたら考えるがよいぞ)


 頭の中が真っ白になった。

 今、目の前では雪女が桃色の髪の鬼を紹介している。

 時々遊びに来る、鬼さんだ。

 以前からそっちのけがあったらしく、今月同姓紺する予定だったそうだ。

 氷上が結婚する、この機にと報告となったみたいだ。

 たださっきから鬼さんは顔をあげず、俯いたままだ。


 なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで。

 なんでなんで、氷上と始祖様が結婚するの!!!???

 しかも始祖様ラフスタイルなんだけど、近い近い近い。


「のうそこの、お主いつもうちにラーメン食べに来ている娘じゃろ? 先ずお主の門出を祝おう」

「ごめんなさい! 雪女との結婚は嘘です」

「えっ」

「えっ」


「そうじゃろうな、こちらも嘘じゃ」

「えっ」

「えっ」

「えっ」


 この度のエイプリルフールは2名の鬼により強制終了した。


「そうじゃな、取り合えずご飯にしよう、話はそのあとじゃ。氷上、冷蔵庫借りて良いかえ?」


 時刻は丁度、時計の針が正午を刻んでいたところだった。 



始祖様はR18版にも登場しているぞよ。だがな、本編初登場は2月22日の猫の日じゃ。

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