3月21日
春分の日の今日、春の始まりと決められた日。
いつもより雪女が小さい。
小学生くらいの大きさで、着ている物のいつもより煌びやかに感じる。
「なあ、ゲームするか?」
と、声を掛ければ「ん」と短く返事をして膝の上に乗ってくる。
お菓子を食べるか、と訊くと「あ~ん」と口を開けて待機するので、お菓子を食べさせる。
体とともに心身まで小さくなったかと思い、小さい雪女と時を過ごしていると、大きい雪女が「おはよ~」と言って起きてきた。
大きいと言っても通常のサイズなので。
目をパチクリさせて驚いていると、雪女も驚いていた。
「姫、どうしてここにいるんですか?」
雪女から姫という単語が飛び出した。ということは大きい方が本物となるのか。
「冬の終わりを告げに来たのじゃ」
しゃべった!??
「何を驚いている氷上とやら、こう見えてお主よりは年上じゃぞ」
「姫何か食べていきます?」
雪女がかしこばっているの面白いな。
「ん、よい。氷上に馳走になったからの」
「そうですか」
「わしらは北上するがお主はどうする?」
北上って、なんだか鳥みたいだな。
「私はここにいます」
「分かった。達者でな。夏は特に気を付けるんじゃぞ」
姫は雪女とやり取りを終え、冬を追いかけに行った。
その日、桜を目前として、氷上さんちに小雪が舞った。
小雪が舞った」という一文を綴りたくなって書きました。




