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殺したのは俺?  作者: おもち
解散に至るまで

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8/10

パーティ解散




 あれからまた数日後、モーリスがパーティハウスに帰ってきた。いったい今までどこで何をしていたのだろう?帰ってくるなり、パーティは解散しようと言われた。一騎当千は俺にとって大事なパーティだったし、できれば立て直したかった。けどもう無理だよなと俺も思う。


「抜けたいならモーリス一人で抜けてよ。僕はまだ続けたい。」


 だがマークは続けたいようだ。マークが続けたいならパーティは形だけ続けてもいいが、犯人が捕まるまではパーティとしての活動はしたくない。


「えー僕はー、マークが犯人だと思ってるからー解散しようって言ってるんだけどー。」


 モーリスが最近パーティハウスにいなかったのは、マークが犯人だと思っていたから?


「は?なんで僕が犯人なの?ドラムもサイモンも剣で殺されてるんだよ?レジーナは木の上にいた所を狙われたみたいだから弓かもね!僕よりモーリスとクリスタの方が怪しいじゃん!」


 え、マークって俺の事疑ってたのか⋯。


「でもやったの僕じゃないしー、僕はーマークだと思うー。クリスタ共犯者じゃないよねー?」


「俺じゃねーよ!お前らのどっちかだろ?」


「クリスタもアリアの死因とか遺体の場所とか知ってたよね?」


「それは夢で見ただけだって⋯⋯」


 俺だって不思議なんだ。自分でなんであんな夢を見たのかわかってない。そういえばレジーナの夢は見てないな⋯。レジーナだけはやっぱり事故死なのか?


「こんな状況じゃ流石にパーティこのまま続けるのは無理じゃないか?」


「そんなことないよ。僕はクリスタが犯人でも黙っててあげるよ?僕が殺されちゃったら終わりだけど⋯。僕とクリスタは初期メンバーで、その時も元々三人だったでしょ?また前みたいにメンバーを集めればいいよ、ね?」


「僕はーはんたーい。」


「ごめんマーク、俺が今は無理だ。一旦解散して、またこの事件が解決したときに、組める状態だったら組めばいいだろ?」


「わかった⋯僕は待ってる。捕まらないでね?」


 本気で俺が犯人だと思ってるのか?いや、俺も同じか⋯こいつらのこと信じてない。それと、俺が殺人犯でもいいって言われるのは複雑な気分だな⋯。


「わかった⋯」


 こうして、一騎当千は解散した。



◆◆◆◆◆



 俺は、パーティのリーダーとして、パーティの解散手続きをするためにギルドへ向かった。ギルドに用事があるというモーリスも一緒だ。

 相変わらず、街の人たちやギルド内の冒険者たちからの冷ややかな眼差しが痛い。パーティ解散の噂もすぐに広まるのだろうな。

 これから先は三人別行動だ。一人でこの視線に耐えなければならないと思うと、心細くて胃がキリキリしてきた。マークには悪いが、解散手続きが終わったら、できるだけ早くこの街を出たい。

 カウンターに並んで解散手続きを済ませたら、名残惜しいがあっさり解散だ。呆気ないな⋯。


 解散手続きはすぐに終わったが、モーリスに待っていて欲しいと言われた。モーリスはギルドに何かを調査してもらっていたようだ。何を調査したんだろう?


 モーリスは戻ってくると、場所を変えようと言うのでついて行くことにした。今変な場所に連れていかれるのは少々不安だ。


 連れてこられたのは一軒の屋敷。俺たちは裏口から入ってゆく。


「ここは誰の屋敷なんだ?」


「ここはー、僕のー弓の師匠のー屋敷だよー。」


 そう言って今モーリスが生活しているであろう部屋に通された。ベッドが一台とクローゼット、絨毯の上にテーブルとソファーが置いてある。俺はどうぞと言われたソファーに座った。


「そうか、ここに匿ってもらってたのか?宿は宿泊拒否されて泊まれなかっただろ?俺もパーティハウスを出たかったが行くとこがなくて出られなかった。」


「そうなのー?僕はー初めからここに匿ってーもらいに来たからー、知らなかったー。」


 なるほど、師匠の家なら宿に泊まるより安全だよな。居場所がわかっても、弓の師匠がいる屋敷じゃ簡単には手出しできない。


「そういえば、何でいきなり匿ってもらうことにしたんだ?それまでパーティハウスで普通に寝てただろ?」


 モーリスがパーティハウスで寝なくなったのはアリアの遺体が見つかった後からだ。アリアの遺体を見て何か分かったのか?


「それはー、後で詳しく話すけどー、本当はー次が僕の番だったからだよー。」


「は?なんでそんなことわかるんだ?アリアの遺体見て何か気づいたのか?」


「アリアの遺体じゃなくてー、クリスタの夢の話を聞いてー分かったんだよー。」


 俺の夢の話のどこで何が分かったのかさっぱり分からない。


「一体俺の夢の話で何がわかったんだ?」


「んーとねー、クリスタがー殺されないってこととー、アリアを殺したー実行犯だよー。ねぇー、クリスタはー、ドラムとーサイモンのー夢は見てないのー?」


 今まで隠していた他の二人の夢のことを聞かれて、俺の鼓動が早くなる。それに俺が殺されないっていうのは何故だ?俺がやっぱり犯人なのか?少し迷ったが、俺は他の二人の夢のことも話すことにした。


「⋯⋯⋯たしかに、俺は⋯ドラムとサイモンの夢も見た。二人とも⋯俺が首を斬った夢だった⋯。だけど、俺は二人を殺した記憶なんてない。本当に嫌な夢だった。相手の声は聞こえないが、斬った感覚まで覚えてるんだ。なんでモーリスは俺がドラムとサイモンの夢も見てるって分かったんだ?」


「やっぱりー。これでー、ドラムとーサイモンのー実行犯もー分かったよー。なんでー二人の夢を見たと思ったかはー勘だよー。なるほどねー。レジーナのー、夢だけ見てないでしょー?」


 勘かよ!けどモーリスの感はよく当たるからバカにできないんだよな。


「ああ、レジーナの夢は見てない。レジーナの夢も見られればどうやって死んだか分かると思ったんだけどな⋯。それも勘か?それに実行犯って誰なんだ?」


 モーリスは少し沈黙し、言うか言わないか悩んでいる様子だ。


「これはー今調べてもらってるー魔導具のー調査結果が分かるまでー、誰にも言わないで欲しいんだー。」


「分かった。」


 静かにそう言って大きく一つ頷いた。


「レジーナをー殺したのはー、僕なんだー。」


「えっ?」


 俺はモーリスのまさかの発言にどうしていいか分からず固まった。





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