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殺したのは俺?  作者: おもち
解散に至るまで

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6/10

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 宿屋に泊まった俺は、朝早くにパーティハウスに戻った。どうやらマークとモーリスはいつも通り、パーティハウスの自分の部屋で寝たようだ。よく平気で寝れるなあいつら⋯。レジーナは俺と一緒でどこかに泊まりに行ったようだ。


「おはようクリスタ。」


「おはよう。何ともなかったか?俺は怖くて宿で寝たよ⋯。」


「ここじゃなくても襲われる時は襲われるだろうしね、どこでも同じかなって。」


「なるほど。」


 たしかに、それもそうかもしれないな。けど、これからも今まで通り仲間として接するのは、犯人が捕まらない限り無理だろう。


「昨日はあの後ギルドと街の衛兵隊から調査員が来たよ。」


「そうだったのか⋯任せちゃって悪かった。何か分かったか?」


「いや、大したことは何も。魔力の痕跡はないから鋭い刃物で斬られたことと、暴れたりもがいたりした形跡がなくて、即死だったってことくらいだね。」


「そうか⋯」


「パーティハウスの中いろいろ調べていったけど、怪しいものも見つかってないってさ。夜までかかったから、まだモーリスは寝てるみたい。」


 俺とレジーナだけゆっくり宿で休んでしまったみたいで申し訳ないな⋯。


「ゆっくり寝かせてやろう。マークは大丈夫なのか?」


「僕は大丈夫だよ。気にしないで。」


「そうか。」


 そうは言ってるが、朝から死体を見つけて夜まで調査じゃ疲れただろう。後日、俺とレジーナにも事情を聞きに来るらしい。


「サイモンのこと孤児院にも報告しないとな。」


「そうだね⋯。」


 サイモンはこの街の孤児院の出で、今でも稼いだ金から毎月寄付をしに行っていた。俺はサイモンのことを疑ってしまったが、真面目で努力家ないいやつだった。今は疑ってしまったことに罪悪感を感じている。孤児院に行ってなんて話そう⋯。


「皆揃ったら行こう。」


「レジーナは来るかな?」


「来なかったら三人で行くしかないな。」


 暫く待ったがレジーナは来なかったので、三人で行くことにした。


 孤児院に報告すると、ドラムが亡くなったことやアリアがいなくなったことも、サイモンが話していたのか知っていたようで、あからさまに敵対心のこもった視線で子供たちに睨まれた。どうしていいか分からず、逃げるように出てきてしまった。


 またパーティハウスに戻って休んでいると、その日のうちに調査員が来て、あれこれ今までのことも含めて質問された。調査の進展状況を聞いたが、まだ進展はないそうだ。


 マークとモーリスと話をして、暫くはパーティでの活動は難しいため、依頼を受ける時は個人で受けようということになった。レジーナには誰かが会った時に伝えることにした。



◆◆◆◆◆



 俺はまた宿をとるために外へ出る気力がなく、どこで寝ても同じだと自分に言い聞かせて自分の部屋で寝た。


 そしてまた夢だ。俺は寝ても休ませてもらえないのだろうか?今度は暗闇の中、サイモンの部屋に入ってゆく夢。目覚めたサイモンに何かを言われて、その後首を刎ねた。疲れていたせいか目は覚めなかったが、夢はここまでしか見られなかった。その後俺はどうしたのだろう?


 目が覚めると朝になっていた。三度目で夢にも慣れてきたのかぐっすり眠れた。いつもよりも遅いくらいだ。マークとモーリスは依頼でも探しに行ったのか、もう出掛けたようだ。俺はまだ依頼は後回しでいい。それよりもそろそろ確認しなきゃいけないことがある。


 俺は前回の夢を見た後気になっていた、パーティハウス近くの古井戸に来た。緊張する。きっとあるであろう袋を確認しなくてはならない。ゴクリと唾を飲み、深呼吸をする。


「何してるのー?」


 急に声をかけられ心臓が跳ねる。モーリスだ。なんでモーリスがここにいる?


「いや、ちょっと気になることがあって⋯。モーリスこそ何でここに?」


「えーとー、クリスタのあとをーついてきただけだよー。」


 モーリスは俺を疑ってるってことか?いや、俺も人のことは言えないか⋯。モーリスのことも疑っている。


「そうか⋯。笑わないで聞いてほしいんだが⋯、アリアがいなくなった後、夢にこの井戸が出てきたんだ。それでちょっと気になって⋯。」


「そーなんだー。じゃあ一緒に見てみるー?」


 覚悟してきたつもりだったが、俺一人で見るのは怖かった。もうこうなったら一緒に見てもらった方がいい。


「そうだな。」


 俺は持ってきていたライトの魔道具で古井戸の底を照らす。


「なんかー、大きい袋が落ちてるねー。」


 思った通りだった。夢で見たのと同じ袋だ。違っていて欲しいが⋯


「引き上げてみよう⋯。」


 モーリスと協力して、縄を使って袋を引き上げた。中身を確認すると、やはり変わり果てた姿のアリアだった。


「なるほどねー。」


 モーリスは何か分かったような顔をして頷いている。なるほどとはどういう意味だろうか?やっぱりモーリスは俺がやったと思っているのかもしれない⋯。


 その後俺たちは、憲兵にアリアの遺体のことをいいに行くと、そのまま長々と事情を聞かれた。かなり俺たちのことを疑っているようだ。予想できていたことだが、夢で井戸を見たと言っても全く信じてもらえなかった。帰ってマークやレジーナがいたらなんて言えばいいだろうか?パーティハウスに帰る気にはなれず、宿をとり、宿の酒場で記憶をなくした。



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