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殺したのは俺?  作者: おもち
解散に至るまで

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3/10

聞き込みと話し合い




 翌日、二手に分かれてパーティハウス周辺で聞き込みをすることにした。班分けは、俺とサイモンとの班とマーク、レジーナ、モーリスの三人の班だ。中心街の方の西側と城壁がある方の東側で手分けした。俺たちは西側の担当だ。


 パーティハウスに近いご近所さんから聞き込みをしていく。聞き込みを始めると、ご近所さんたちの方から集まってきた。どうやら、昨日のお喋り好きの奥さんがもう既に話をしていたらしく、目撃情報が簡単に集まった。

 やはり、昼間にパーティハウスの方に向かって行くのは見かけられているが、出ていったのを見た人はいないらしい。とすると出ていって向かったのは東か?皆、東側にはあまり行かないので、東側にはアリアのことを知ってる人が少ない。ここは王都で人も沢山いる。昼間の仕事中に知らない人を見かけても、記憶に残る人は少ないだろう。俺も知らない人の事を聞かれても覚えてないって言うと思う。アリアは特に目立つような見た目でもない。よくいるような焦茶色の髪で、身長も女性の平均身長くらい。派手な服装も好まない。目撃情報を探すのは難しいかもしれない。


 午前中は聞き込みを続け、昼食の時間にパーティハウスに集まった。案の定東側は情報が集まらなかったらしい。アリアの見た目の特徴を話して、「見なかったですか?」と聞くと、大体の人に、「そんなどこにでもいるようなやつのこと聞かれても分からない。」と言われたらしい。ごもっともだ。

 もし東側に向かったとしてどこに行った?東側の城壁にも一応門はあるが、普段は閉じたままで人の出入りはできない。結局わかったのは西の中心街方面には行ってないということだ。サイモンの予想通りだ。


 昼食を食べ終えると皆で話し合いをした。先ずは状況確認からだ。


「俺たちがギルドで解散したのは昼の二時前だ。その後の二時半ごろにパーティハウスの近くで目撃されている。その後早く帰ってきたのはマークか?」


「うん僕だね。僕が帰ったのは四時前だけど、パーティハウスには誰もいなかったよ。」


「そうなると、二時半から四時の一時間半の間に、西側には向かわずにアリアは消えたのか⋯。」


「いったいどこに消えたのかしらね。」


「そもそもさー、アリアってー生きてるのー?」


 俺も思っていたことをモーリスに言われて沈黙する。今まで認めたくなくて、口には出さないようにしていた。


「そうですね、パーティハウス付近か東側で殺されていたら、何かに包むか入れるかすれば、どこを通っても目撃情報はあがらないでしょう。」


「だよな⋯俺も思ってはいた。生きたまま消える方が難しい。」


「やっぱり私たち誰かに狙われてるのかしら⋯」


「そうかもしれないね。」


「誰が何の目的で狙っているのか見当もつきませんね⋯。」


 話し合いは重い空気のまま終わった。




◆◆◆◆◆



 その晩、俺はまた夢を見た。また断片的だが、静かな真夜中の夢だ。俺がアリアと会って何かを話した。そしてアリアが後ろを向いて俺の前から去って行く時、俺は縄でアリアの首を絞め殺した。

 それから場面が変わって、パーティハウス近くの枯れ井戸に、麻袋に入った重い何かを捨て入れた。中がなにかは想像がつく。そこで夢の記憶は途切れている。


 嫌な夢で目覚め、汗をかいて喉が乾いたので、一階に降りてキッチンで水を飲んだ。俺の部屋は二階にある。一階に部屋があるのはモーリスとサイモンだけで、それ以外は二階だ。

 水を飲んだだけでは気分が落ち着かず、グラスに酒を注いでリビングのソファに座った。なんであんな夢を見るんだ?俺はアリアと会ったのか?どうやって?いや、予め誰にも見つからないようにパーティハウスを抜け出せと指示していたとしたら⋯、不可能ではないかもしれない⋯。そんなことを考えながらグラスを傾ける。


「俺⋯殺してないよな?」


 小さな声でそう呟いた時、一階の部屋のドアが開いた。


「眠れないのー?」


 モーリスだ。俺は今の呟きが聞かれていたのではないかと心臓がバクバクする。


「あ、ああ。悪い、起こしたか?」


「ちょっとー気になることがあってー起きてたー。クリスタはー、お酒なんか飲んで嫌な夢でも見たー?」


「ああ、すごく嫌な夢だった⋯。それよりお前の気になることってなんだ?」


「んー⋯それはまだひみつー。ちょっとー可愛いクリスタが食べられちゃうかもって心配になっただけー。」


「あ?俺は可愛くなんかねーよ。」


「えー、女の子みたいにー可愛い顔してるじゃーん。」


 自覚はあるが腹が立つ。だが、モーリスに腹が立ったおかげか、先程までのモヤモヤした気持ちはどこかに消えて眠れそうだ。


「うるせぇ。もう寝る。」


「おやすみー。」



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