#23 オカルト研究部の唯一の部員
皆さん、こんにちは!アオです!
「元の世界へ戻るために~とある部活と異世界召喚について~」をどうぞ!
五階にはさっきまでのモンスターたちは全くいなく一番奥に
閉ざされている生徒会室が見えた。扉を開けて生徒会室へ入る。
そこにはたった一人、生徒会長が椅子に座っていた。
「おや、どうしたのかね?」
これまで下の階で起こっていたことが全く知らないように言う。
「それはこちらのセリフです。どうして生徒会長は外へ逃げなかったのですか?」
一回目にモンスターが出現したときには逃げられなかったと言っていたが
あのニュースの記事に少し違和感を覚えた。
そして二回目、今回もしかしてと思って生徒会室に向かったら
やはり生徒会長がいたのだ。となると可能性は一つだけだと思う。
「外へ逃げる?何の話かね?今は普通に休み時間ではないか」
「とぼけないでください……生徒会長は部活動に所属していますよね?」
「誰から聞いたか知らないがああ、私は部活動に所属しているよ。
でもそれがどうしたっていうんだい?」
「オカルト研究部……校内で唯一の部員はあなたですよね」
俺は真剣なまなざしで生徒会長を見つめる。
すると生徒会長はいきなり静かに拍手をし始めた。
「すばらしい、実にすばらしいよ。この部活については先生にすら
言ったことがないのにね。見つけた君は実にすばらしい」
「話はそれだけかい?なら私は少し出かけようかな」
そう言って俺が呼び止めるひまもなく、生徒会長はとある呪文を口にする。
「スターダーク・ヴォルテックス」
その聞きなじみのある魔法……確か俺がこちらの世界へ来る前に
魔王との戦闘で自然に口にした魔法、スターライト・ヴォルテックスに似ている。
でもなんでその呪文を生徒会長が?考えているうちに見たことある穴が
壁に出現した。それは俺が剣を入手したときに出現した穴と同じだ。
「なっ、なんでそんなことができる!?」
「ふっ、もう少し調べることなんだな!では私はこれで!」
俺は追いかけようと生徒会長が入っていった壁の穴に入ろうとしたが
閉じてしまい、結局入ることができなかった……
たった一人、生徒会室に残された俺は何もすることができなかった。
数分後、先生たちが五階へやってきてその日は帰るように指示された。
しおりは現在、保健室でゆっくりしているとのことだ。
やはり魔法で体力を消費しすぎてしまったのかもしれない。
家に帰った俺はいつの間にか深い眠りについてしまった。
どのくらい時間が経ったのだろうか。まだあの出来事がつい数時間前の
ように思えるが日付を見てみると丸一日以上寝ていたようだ。
枕元に置いてあったスマホを見てみるとしおりからのメッセージが
たくさん来ていた。その全部がひたすらに俺を心配するものだった。
こりゃあ返さないとやばいなと思った俺はとりあえず"大丈夫"と送った。
メッセージを送ってから数分後、今度は電話がかかってきた。
「ん?どうした?」
「どうした、じゃないわよ!ずっと返事がなかったから心配したんだからね」
「ああ悪い。長い間寝てたみたいで……しおりの方は体調大丈夫なのか?」
「私は大丈夫よ。先生から聞いた話だけどなんか私倒れたの?
気がついたら保健室の天井が見えてびっくりしてた」
声の張りからもわかる通り、完全にしおりの体調は大丈夫そうだ。
「おそらく魔法を唱えて体力を大量に消費したんだろうな」
「そうなの?」
「うん……でもあの時しおりが唱えていた魔法は魔導書には載ってなかったぞ」
「あ~、なんでわからないけどふとあの魔法が思い浮かんだんだよね。
もしかしたら私過去にあの魔法を使っていたのかも」
笑いながら話すしおり。たまたま、なんてことは絶対にない。
あんな長い詠唱魔法をパッと思い浮かべれるものなのか。
「そういえば今、学校はどうなっているんだ?」
「臨時休校だよ。さすがに前と同じようなことが起こったから教育委員会側も
黙ってないみたい。それに行方不明になった生徒もいるらしいからね」
「行方不明?」
「うん、えっと誰だったかな~。ちょっと待ってて」
電話をつないだまましおりが移動する音が聞こえてくる。
「お待たせ、透も知ってる……私も聞いた時は驚いたよ。御堂暁、生徒会長だね」
その言葉に俺は目を見張る。やっぱり生徒会室で起きたあの出来事は
本当のことだったのか。そして生徒会長があの穴を使ってどこかへ行ったことも。
「お~い、透大丈夫~?」
俺がしばらく声を発していなかったからかしおりが言う。
「ああ、ごめん。ちょっと考え事をしていて」
「もしかして一昨日、生徒会長と何か話したの?」
なんでこういうときに限って、しおりの勘は鋭いんだ。
「まあそんなところだよ……でも結局帰る方法はまだわからずじまいだ」
「……その様子だと生徒会長が何か帰る方法を知っているのかしら?」
「っ……言わなかったのになんでわかるんだ?」
「女の勘ってやつだよ。それに今の透は違うけど透は透だから
ずっと一緒にいる私からすれば結構わかりやすいものよ」
なるほどな、長い間の仲ってやつで考えていることがわかるのか。
読んでいただきありがとうございました!
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




