#22 大型モンスター
皆さん、こんにちは!アオです!
「元の世界へ戻るために~とある部活と異世界召喚について~」をどうぞ!
魔法が使えるようになったしおりとともに俺たちは三階へと上がっていく。
しかし三階は想像していたのと違い、いつも通りだった。
「も、モンスターがいない……なんだか嫌な予感がするな」
嵐の前の静けさというべきかあれだけいたモンスターがこの階になって
いきなりいないとなると安堵よりも不安が勝る。
すると上の階からいきなり大きな物音がする。
「いっ、今のは……?」
しおりが少し声を震わせながら言う。
「わからない、とりあえず先を急ごう」
何のモンスターもいない三階をあとに急いで四階へ向かって行く。
四階へ足を踏み入れたとたん、一瞬だけ頭が痛くなった。
しおりを見ると、そんな様子はなかった。この感覚まさか……
元の世界にいたときにも時々こんな感覚に襲われることがあった。
強敵と言われるほどのモンスターいわゆる大型モンスターの出現時に
襲われる感覚にそっくりだった。この先に大型モンスターがいるのか。
「しおり、この先の戦闘では自分の命を優先しろ」
俺のただ事ではない雰囲気を感じ取ったのかしおりが緊張した声で返事をした。
覚悟を決めて俺たちは少しずつ進んでいく。進むにつれてさっき聞こえていた
物音が大きくなっていく。緊張感が増していく。
そしてやつは教室にいた。
「やっぱりか……」
声をあげると同じように大型モンスターもこちらに気が付いたようだ。
俺は持っていた剣を振りかざす。
「な、何このめちゃくちゃ大きい生物……」
初めてみる大きなモンスターにしおりは戸惑っている様子だった。
「しおり!攻撃をしろ!でないとやられるぞ!」
まさに大型モンスターは今、しおりに対して攻撃を仕掛けようとしていた。
「くそっ、こっちへ攻撃しろよぉ゛ぉ゛!」
力を込めて一撃を放つ。しかしこんな大きなモンスターに対しての
ダメージはそこまで大きくないことはわかっていた。
モンスターが立ち上がり、二足歩行になる。
「ライトニングバード!」
ここだと言わんばかりに良いタイミングで魔法を放つ。
電気をまとった鳥がモンスターを襲う。その攻撃にひるんだのか
その場に大きなしりもちをついて倒れる。
「ナイス攻撃だ、しおり!」
そう言いながら攻撃を繰り返す……しかしどれだけしおりがアシストを
してくれても俺から繰り出せる攻撃はたったの一つ。
このままでは魔法を使っているしおりの体力すら危うい……
「ファイアギヴ!」
使えるかわからないが、俺はとある魔法を口にする。
すると周りからは炎の柱が出現して力がみなぎってくる感覚があった。
「一気に畳みかけるぞ!しおり、炎の呪文だ!」
剣には炎がまとっている。さっきの魔法の効果によって通常攻撃に
炎属性が付与されたのだ。こいつは確か炎が弱点だったため
これでこちら側が有利に戦いを進められるはずだ。
「炎の精霊よ我に力を貸したまえ!全てを焼き尽くせインフェルノ!」
その言葉に耳を疑った。その魔法はまさか……
俺が止めようとしたときにはもう遅かった。何十発という炎の球が次々と
大型モンスターに着弾しては爆発を繰り返す。
爆発が起きる度にモンスターの苦しむ声が聞こえる。
それだけではない、大型モンスターの周りにはマグマが出来ていて動く度に
もがき苦しんでいる様子だった。その光景に俺はただ眺めていた。
さっきしおりが放った呪文は炎属性の中では最難関最上級呪文ともいわれるほど
習得に時間がかかり絶大な魔力を消費する魔法だ。
そんな呪文があの魔導書に載っていたということか。
考えているうちに大型モンスターの体力はなくなったのかその場に
大きな音を立てて倒れた。砂埃が舞って思わず目をふさぐ。
砂埃が収まり目を開けると向こう側でしおりが倒れていた。
「しおり!大丈夫か!しっかりしろ!」
必死にしおりの体を揺らす。さっきの呪文で魔力ではなく体力を
たくさん消費してしまったのだろう。無茶はするなって言ったのに……
しおりが手にしていた魔導書からさっきの呪文を探してみるが
全く見つからなかった。さっきの呪文はおろか最上級呪文すらない。
ならなんでしおりはあの魔法を唱えることができたんだ。
最上級呪文以降の強い呪文は前詠唱というものがある。
さっきの呪文だと"炎の聖霊よ~"の部分だ。前詠唱があることによって
ためのような感じで魔法を放つことができる。
その前詠唱を含めてたまたま放つことができたなんてことはないはずだ。
ならなんでだ?考えれば考えるほど謎は深まっていくばかりだった。
いやそんなことを考えてる暇はない。一刻も早くしおりの体力を回復させないと。
「ヒール!」
俺は必死に祈りを込めながら回復呪文を唱える。
しかし癒しの光がしおりに届くはずもなかった。そりゃあそうだよな、
元の世界ですら俺は回復魔法を覚えていないんだからこの世界で唱えれるはずがない。
後ろを振り返ると先生たちがいた。
「大丈夫か?すごい物音がして」
「先生、しおりさんをお願いします」
先生に呼び止められるのも無視をして俺は五階へ上がって行った。
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




