#20 強いモンスターたち
皆さん、こんにちは!アオです!
「元の世界へ戻るために~とある部活と異世界召喚について~」をどうぞ!
先生が道具を取りに行っている間、俺は例の教室を伺う。
うろついているようでまだこちらに気が付いていなかった。
胸をなでおろしたのもつかの間、後ろから聞きなじみのある声がした。
「透!いきなり逃げろってどうしたのさ。私も行くって言ったでしょ」
「静かにしろ、しおり悪いがここから逃げろ」
「えっ……」
俺が言ったときには遅かった。廊下に残された血液を見てしまったようだ。
「こっ……これって、血……?」
少し後ろに下がりながら声を震わせて言うしおり。
「ああ、安全のためにも逃げろと言ったがもう遅いかもな」
俺が覚悟を決めたそのタイミングで教室にいたデビル・ナイトが
廊下へ出てきた。そして俺たちと目が合う。
「まずい!しおりこっちへ来い!」
恐怖で動けないしおりの手を無理やり引いて近くの教室へ戻る。
「ね、ねえ……あっ、あのせ……生物」
恐怖のあまり普通にしゃべることすら困難のようだ。
「何も言うな。懐中電灯を探せ、早く!」
武器を持っていない今、弱点などの知識があってもこいつを倒せるはずがない。
低い雄たけびが教室の扉まで迫ってきていた、時間がない。
「あった、しおり下がってろ!」
そう言って懐中電灯のスイッチを入れて光を照らす。
こいつの弱点は強い光だ。デビルということもあり光を強く嫌っているのだろう。
「う゛お゛っう゛」
耳をふさぎたくなるようなけたたましい雄たけびが聞こえてたのち
デビル・ナイトはその場にバタリッと倒れ込んだ。
「なっ、何とか倒せれたか」
にしても一気にモンスターが強くなった。序盤から魔王城周辺にいるモンスター
とまではいかないが、そこそこ強めのモンスターだ。
「……とっ、透ありがとう。いっ、今のなに……?」
モンスターが倒れたからだろうか、少し恐怖心が和らいだしおりが言う。
「元の世界のモンスター、その中でもそこそこ強いやつ。
もともと狂暴性があったからそれでああなったのだろう」
「あっ、ああなった……死んだんだよ!なんでそんなに平気なのよ!」
涙目になりながら訴えてくる。
「そりゃあ俺だっていまだにどの世界でも人が死ぬのは怖いよ。
でも慣れないと冒険者なんてやっていけない。中には大型モンスターと
戦ってたくさんの死人を見てきた。それだけじゃない魔王と戦った
ときにも一緒にいた仲間がやられた。もちろん悔しくかったし悲しかった。
でも冒険者である以上、命の保証はどこにもない」
「でっ、でも透が死ぬのは絶対にダメ!まだ一緒にいたい」
泣きながら必死に訴えてくるしおりのその姿に、もとの透がどれだけ
いいやつでそんな透をどれだけ愛しているかがわかった。
「大丈夫だ、俺は強いからな。それに今の俺が死んでも元の透は
絶対戻ってくるよ約束する」
「っ……で、でもたとえそうだとしてもつらいよ」
この世界だからか、しおりがこういう性格だからかはわからないが
"死"というものはそんなに周りに影響を及ぼすものだろうか。
元の世界でも確かにきついものだ。でもそんなことわかっていて
みんな冒険者になっているある程度は覚悟しているのだ。
そう思うとこの世界との最も大きく違うものの一つかもしれない。
「俺はこのまま次の階へ行くつもりだ。しおりは先生と一緒に
逃げろ。でないとしおりまで死んでしまうかもしれないんだぞ」
「死ぬのは怖いよ。でも一緒に行く、透ならあの原因を
突き止めることができるかもしれないから」
さっきまで恐怖で涙目になっていたしおりの目は真剣そのものだった。
「わかった、命だけは大切にしろよ」
「うん!」
そう言って笑うしおりの姿が仲間だったセフィア=レーンの姿と重なった。
元のしおりの性格もあって心強く感じた。
二階へ上がると廊下には肌が緑色の騎士のような恰好をしたモンスターがいた。
「スクワイア・ゴブリンか、これといって一撃で倒せるような弱点がない
モンスターだな、何か武器はないか」
近くにはほうきが転がっていたが、ほうき程度ではあの剣にはかなわない。
するといきなり隣の壁から穴が開いて金属音がなり何かが地面に落ちた。
「剣?それにさっきの何だったのかしら?」
どうやらさっきの穴のようなものはしおりにも見えていたようだ。
「わからない、ただこの状況を打開できるような武器だ」
落とされていた剣を拾ってこちらに気が付いていないスクワイア・ゴブリンの
姿を見る。やっと肉弾戦で面白くなってきたじゃないか。
「久しぶりに相手してやるよぉ゛~!」
振った剣がモンスターの鎧部分にあたり鈍い金属音をたてる。
すぐさま軽く後ろへ移動して態勢を立て直して再び攻撃をする。
戦っているうちに思い出した、こいつ足が小さいから転ばさればいいんだ。
こちらへ近づいてくるスクワイア・ゴブリンの足をひっかけて転倒させる。
鎧部分から見えていた顔を攻撃して討伐完了だ。
「ふぅ……まだ奥にもスクワイア・ゴブリンがいるのか。
確かこいつら仲間で行動していたから多そうだな」
緊張感はあるもののなんとかなりそうだ。
読んでいただきありがとうございました!
コメント(感想)をくださるとうれしいです!
それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




