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The Best Youth 〜君と一緒に〜  作者: ダークキング


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戻った日常とサプライズ大作戦

「おはよう」

「おはよう」

始業式の朝。いつも通り直美と一緒に学校へ向かう。

「もう大丈夫なのか?」

「歩くぶんには大丈夫だよ」

「そっか……」

歩く分にはってことは、まだ完治はしていないんだな。

「まだ気にしてるの?」

「え?」

「光ちゃんのいいところだけど、そこまで気にしなくていいよ」

「あ、ああ……」

「私も悪かったんだから」

「それは……そうだけど」

それでもやっぱり自分をめてしまう。

「私が“いい”って言ってるんだから、気にしないの」

「……分かった」

「いつも通り、前向きな光ちゃんが一番だよ」

「サンキュー」

やっぱり直美は全てお見通しか……。

「おはよう」

「おはよう」

「おはよう。直美、もう大丈夫なの?」

心配そうな麻衣子。

「歩くのは大丈夫なんだってさ」

「あんまり無理しちゃダメだよ?」

「うん、ありがとう」

今度は俺の顔を見て、

「光司君も、いつも通りに戻ったみたいだね」

そういや、会うのは初詣はつもうでの日以来か。

「ああ……この前は悪かったな」

「いいよ。誰だってイライラすることくらいあるし」

「サンキュー」

「おはよう」

「おはよう」

「おはよう。直美、大丈夫?」

成美も心配そうに直美に聞く。

「大丈夫だよ」

「ならよかった」

「心配してくれてありがとう」

「友達だもん」

「そうそう」

麻衣子も同調どうちょうする。

「光司もいつも通りだね」

「ああ。あの時は悪かったな」

「ううん、誰だって怒ってしまうことはあるよ」

「サンキューな」

「さ、行こう」

「ああ」

いつもの4人での登校。

「今日から三学期だな」

「そうだね」

「特に大きなイベントは無いけど……来年の今頃は忙しそうだな」

「受験生だもんね」

「でも、イベントもあるでしょ?」

イベント?

「何かあったか?」

「バレンタインデー」

「ああ、なるほど」

言われてみればバレンタインデーがあるのか。

「男の子ってあんまり気にしないの?」

「人によるだろうけど、俺はそこまでだな」

「へぇ、そうなんだ」

バレンタインデー。いつも直美と沙樹から義理チョコを貰うだけ。そんなに意識することが無い日なので、存在を忘れてしまっていた。

今年は麻衣子と成美もいるから、チョコの数増えるのかもな。

そんなことを考えながら、俺はみんなと始業式に向かった。



「もうすぐ沙樹の誕生日じゃない?」

「そういえば、そうだな」

沙樹の誕生日は一月十九日。今日は一月十七日。もう明後日に迫っている。

「何かプレゼント買わないとね」

「沙樹は誕生日の日、大丈夫なのか?」

「多分、部活だと思うよ」

「だろうな」

何時いつ渡そうか?」

どうせならサプライズした方が、より思い出に残る誕生日になるだろう。

「部活帰りにドッキリはどうだ?」

「でも、先輩たちと一緒に帰ってるかもしれないよ」

「じゃあ……家の近くで待つか」

「それがいいかもね」

「プレゼントは今日の帰りに買いに行くか」

「うん。でも、沙樹って何が欲しいんだろ?」

「昼休み、一緒に飯食おうぜ」

「え?」

「そのときに、自然に聞き出せばいい」

「なるほど。バレないようにね」

沙樹はどんなものが欲しいのだろう?

「信夫」

昼休み。俺は自然に沙樹を呼べるように、まずは信夫を誘う。

「どうした?」

「一緒に昼飯食べようぜ」

「ああ、いいぞ」

「沙樹は?」

「芦田さんならそこにいるぞ」

俺が誘うのも少し違和感を持たれるかもしれないので、ここは直美に任せる。

「沙樹」

「どうしたの?直美」

「一緒にご飯食べよう」

「いいよ」

これで下準備は整った。

「場所どうする?」

「屋上は寒いよな」

「さすがに無理だな」

「じゃあ食堂だね」

「席空いてるかな?」

「大丈夫だろ」

「みんな教室で食べてるもんね」

「寒くて動きたくないんだろ」

「それが本音だね」

俺たちは食堂に移動し、昼飯を食べ始めた。

麻衣子と成美は寒いから教室に残っていた。

「外で運動するほうが寒いのにね」

「沙樹は平気そうだけど」

「そんなことないよ。寒いのは寒いよ」

「でも動きたくないほどじゃないんだろ?」

「うん、それはないかな」

部活をしていない俺からすれば、それ思うことだけでも凄いことだ。

「外が普通だもんな」

なかなか欲しいものを聞き出すことが出来ない、と思っていたその時――

「そろそろ新しいくつ欲しいんだけどなぁ」

「靴?」

「うん。競技用はあるけど、普段履くのがないの」

思わぬ形で欲しいものを聞くことが出来た。

「なるほど」

「買いに行く時間もない感じか?」

「そう。部活終わるの遅いし、休みの日じゃないと行けないんだよね」

「大変だな」

「お金もあんまり無いしね」

「部活やってたらバイトも難しいよな」

「そういうこと」

無事に沙樹の欲しいものを聞くことが出来た。後は靴を買いに行くだけだな。

「さてっと」

放課後。無事に沙樹の欲しいものを聞き出せたので、さっそく買いに行くことにした。

「沙樹ってどんな靴がいいんだろ?」

「やっぱり女の子っぽいのがいいんじゃない?」

「でも、履きやすさで言ったらスポーツシューズだろ?」

「それも分かるけど……ブーツとかもいいと思うよ」

「じゃあさ、俺と直美で分けるか」

「え?」

「俺がカジュアル系、直美がスポーツ系」

「あ、それいいかも」

はずれないしな」

「うん。どっちもあれば困らないしね」

「そういえば、麻衣子と成美は?」

「二人とも今日は用事があるから先に帰ったよ」

「なるほど」

「朝も一緒じゃなかったもんね」

「麻衣子は寝坊したって言ってたな」

「やっぱり寒いの苦手なんだね」

「そんな感じだな」

「成美も同じタイプっぽいよね」

「確かに」

「光ちゃんは寒いの平気なの?」

「別に苦手じゃないな」

「だよね」

だよね?

「何がだよ」

「夏より冬のほうが元気じゃん」

「あー、それはあるな」

「ほらね」

直美には全て見透みすかされている気がした。

「夏は暑さどうにもならないけど、冬は着込めばどうにかなるだろ?」

「確かに、それはそうだね」

「直美は?」

「好きではないけど……考え方は同じかな」

「なるほどな」

「じゃあ、さっさと買いに行こ」

「だな。遅くなると余計寒いし」

「そうそう」

結局、俺がカジュアル系、直美がスポーツ系のくつを買うことになった。

これで準備は万端。あとは当日、どうやって渡すかだ。



「おはよう」

「おはよう」

「ちゃんと持ってきた?」

「当たり前だ」

今日は沙樹の誕生日。放課後に渡すため、プレゼントを学校に持ってきている。

「後は放課後だね」

「そうだな」

「麻衣子たちって、沙樹の誕生日知ってるのかな?」

沙樹は自分の誕生日の話をしていないだろうし、多分知らないだろうな。

「多分知らないだろ」

「だよね」

「おはよう」

「おはよう」

「おはよう」

「麻衣子、沙樹の誕生日っていつか知ってるか?」

「え?知らないよ」

やはり、沙樹は言っていなかったようだ。

「やっぱりな」

「しょうがないよ。去年転校してきたばっかりだし」

「それもそうか」

「?」

「今日、沙樹の誕生日なんだ」

「え、そうなの?」

「二人はプレゼント用意してるの?」

「うん」

「ああ」

「私はどうしよ……」

麻衣子は少し困った顔をしていた。

「無理して今日じゃなくてもいいんじゃないか?」

「え?」

「去年、沙樹から誕生日プレゼントもらったか?」

「ううん、もらってない」

「なら今回も無理に用意しなくてもいいだろ」

「でも、知った以上はなにかしてあげたいじゃん?」

「あー……それはあるな」

「放課後に買いに行く時間くらいはあると思うよ」

「じゃあ、そうしようかな」

「おはよう」

「おはよう」

「おはよう」

成美も知らないだろうな。

「何の話してるの?」

「沙樹の誕生日の話」

「沙樹の誕生日っていつなの?」

「今日」

「え!?何も用意してないよ」

「今初めて聞いたもんな」

「私も一緒だよ」

「ほんと?」

「うん」

「じゃあ、放課後一緒に買いに行かない?」

「うん、行こ」

麻衣子と成美も沙樹の誕生日プレゼントを買いに行くようだ。

「じゃあ、俺と直美は先に沙樹の家の近くで待ってる」

「麻衣子と成美は、買い物終わったら来てくれればいいから」

「分かった」

「了解」

「いよいよだね」

「そうだな」

放課後。沙樹は部活へ向かい、麻衣子と成美はプレゼントを買いに行っている。

「部活ってどれくらいで終わるんだろ?」

「それは俺にも分からないな」

「そういえば、高橋君は何もあげないのかな?」

「案外、もう渡してるかもしれないぞ」

「それもありそうだね」

沙樹の家の近くに着いた。

「どこで待ち伏せする?」

「家の前よりは、少し離れたほうがいいかもな」

「びっくりさせたいもんね」

「ああ」

隠れられそうな場所を探す。

電柱でんちゅうかげとかどう?」

「それもいいけど……路地裏うらろじのほうが確実じゃない?」

「確かに。街灯がいとうあるしな」

「でしょ?」

「じゃあ、路地裏にしとくか」

「うん」

「後は、麻衣子たちに場所送って待つだけだな」

「そうだね」

俺は麻衣子と成美に連絡をした。

「この時期、暗くなるの早いな」

「暗くなるの早いから、終わるのも早いと思うけど……」

その時、麻衣子から連絡が来た。

「麻衣子たち、もうすぐ来るって連絡きた」

「ほんと?」

その時、二人が走ってくる。

「お待たせ!」

「来た来た」

「沙樹、まだ帰ってきてない?」

「ああ、まだだ」

「よかった、間に合った」

「もうすぐ暗くなるし、そろそろだと思うけど……」

そのとき、沙樹が歩いてくるのが見えた。

「あ、来た」

「ほんとだ」

「行くぞ」

「うん」

俺たちは四人で一斉に走り出した。

「沙樹!」

「え?」

直美に声をかけられ、驚く沙樹。

「はい」

「これは……?」

突然の出来事で、理解が追いついていないようだ。

「誕生日おめでとう!」

「あ、ありがとう……!」

誕生日サプライズだということを理解してくれたようだ。

「小学校からの仲だもん」

「そうだな」

「私たちは去年からだけどね」

「うん」

沙樹は受け取ったプレゼントの中身を確認する。

「あ、スポーツシューズ?」

「普段でも部活のときでも使えるでしょ?」

「うん、ありがと」

直美からのプレゼントに喜ぶ沙樹。

「これは俺から」

中身を確認する沙樹。

「これは……ブーツ?」

「ああ。カジュアルなのもいいかなって思ってさ」

「こういうの、自分じゃあんまり選ばないかも」

「気が向いたら使ってくれ」

「大事にするね……ありがとう」

気に入ってもらえたようだ。

「はい、これは私から」

麻衣子は小さな袋を沙樹に渡した。

「リストバンド」

「運動するとき使えるでしょ?」

「ありがと。大事に使うね」

「これは私から」

成美からの誕生日プレゼントは……

「え、すごい……」

綺麗きれいな花束だった。

「ちょっと多すぎたかな?」

「そんなことないよ。ほんとにありがと」

沙樹はみんなのプレゼントで、両手いっぱいになっていた。

「持って帰るの大変そうだな」

「確かに」

玄関げんかんまで運んでもらっていい?」

「じゃあ、私が持つよ」

「ありがと、直美」

沙樹と直美の二人が沙樹の家に入っていく。

「じゃあ、私そろそろ……」

「私も」

麻衣子と成美が呟く。

「先に帰るか?」

「うん」

「ごめんね」

「気にすんなって」

「じゃあね」

「バイバイ」

「ああ、また明日」

麻衣子と成美の二人は先に帰って行った。

「お待たせ」

入れ違いぐらいのタイミングで、直美が戻ってきた。

「ああ。行くか」

「麻衣子たちは?」

「先に帰ったよ。用事あるみたい」

「そっか」

「じゃあ、俺たちも帰ろうぜ」

「うん」

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