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The Best Youth 〜君と一緒に〜  作者: ダークキング


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揺れる想いのクリスマスパーティー

「お兄ちゃん、そろそろ行く?」

「ああ、もう出てもいい時間だな」

今日はクリスマスパーティ当日。可織と俺は準備を終え、家を出た。

「みんなどんなプレゼント買ってるんだろ?」

「それは行ってみないと分からないな」

「そうだね」

「個性は出るだろうな」

「センスも出るね」

「俺のセンスも問われるな」

「それはみんな一緒でしょ」

「まあな」

「おはよう」

直美はすでに家の前で待っていた。

「おはようございます」

「おはよう」

「いよいよクリスマスパーティだね」

「楽しみだな」

「そうだね」

「直美さんはどんなの買ったんですか?」

「それは秘密」

「そりゃそうですよね」

「分かったら意味ないだろ」

「確かに」

「桜マンション集合だから、信夫や沙樹ももう着いてるかもな」

「そうだね」

「麻衣子と七海ちゃんも待ってるかもな」

「七海の場合はありえるけど、麻衣子先輩はギリギリな気がする」

「言えてる」

桜マンションには、信夫と沙樹が待っていた。

麻衣子と七海ちゃんはまだのようだ。

「おはよう」

「おはよう」

「おはようございます」

「おはよう」

「二人ともまだなんだ」

「まだ五分以上あるよ」

「そっか」

そんな話をしていると、走ってくる足音が聞こえた。

「あ、七海だ」

「す、すみません。遅くなりました」

「大丈夫だよ」

「まだ時間前だし」

麻衣子がやはり最後になった。

「お、お待たせ!」

約束の時間ちょうどに麻衣子が走って来た。

「来た来た」

あわててきたって感じだな」

「寝坊しそうだったの」

「いつものことだが、余裕持てよ?」

「う、うん……気をつける」

「それじゃあ、全員揃ぜんいんそろったし行くか」

「おー!」

こうして俺たちはクリスマスパーティの会場である、成美の家に向かった。

「どんな準備してるんだろ?」

「飾りつけとかしてるのかな?」

「でも成美一人じゃ限界あるだろ」

「家族とやってるかもよ?」

「それなら期待できるな」

「楽しみ」

「やっぱりプレゼントが一番気になるけどね」

「可織、そればっかりだな」

「気になるんだからいいでしょ?」

「まあ否定はしない」

案外あんがいかぶってたりして」

「あり得るな」

「無いとは言えないね」

みんなでワイワイ話していると、あっという間に成美の家に着いた。

「――到着っと」

ピンポーン。

少しの静寂せいじゃく

ガチャ。

「いらっしゃい」

「お邪魔します」

成美の家に入ると、しっかりクリスマスの飾りがされていた。

「すごい……綺麗」

「ほんとだ」

「これ一人でやったの?」

「ううん、お父さんとお母さんと一緒に」

「すごいな」

「直美、麻衣子、沙樹ちょっと手伝ってくれる?」

「いいよ」

「了解」

どうやら、料理を運んできてくれるようだ。

「俺たちはどの部屋に行けばいい?」

「左から二番目の部屋で待ってて」

「分かった」

残った俺たち4人は、指定された部屋に移動した。

「しっかし豪華だな」

部屋の中もしっかり飾りつけがされていた。

「料理も期待できそうだな」

「絶対うまいやつだ」

期待して待っていると、

「お待たせ」

「来た来た!」

「クリスマス定番メニューです」

「すげぇ……」

テーブルには、揚げたてのフライドチキンやフライドポテト、カルパッチョにポテトサラダ、さらに大きなピザまで並べられていく。部屋の中に広がるこおばしいにおいに、自然と全員の顔がほころんだ。

「食べきれるか?」

「人数的にはちょうどいいんじゃないか?」

遠慮えんりょしないでね」

「ああ」

「それじゃあ、乾杯かんぱいするよ」

各々好きなジュースをグラスに注ぐ。

「楽しいクリスマスパーティになることを願って――」

「乾杯!」

そこからは食べて、飲んで、しゃべって。気づけばテーブルの料理はなくなっていた。

「食べたね」

「結構食べたかも」

飲み食いしている間に、2時間ほど時間は経過していた。

「それで、この後って何するの?」

「これだよ」

成美がビンゴゲーム機とビンゴカードを取り出す。

「ビンゴゲーム?」

「こんなの持ってたんだ」

「お父さんが仕事の忘年会ぼうねんかいで使ってたの」

「なるほど」

「カードは好きなの取っていいから」

「OK」

「みんな一枚ずつ取った?」

「ああ」

「大丈夫」

「それじゃあ――ビンゴゲーム始めるよ」

「景品ってあるの?」

確かに、ビンゴゲームなら何か景品みたいなのがあった方が面白い。

「あるよ」

「何があるの?」

「その前に――みんなのプレゼント回収するね」

「え?」

「みんなのプレゼントが景品です」

プレゼント交換をどうやってやるのかと思っていたが、まさかビンゴゲームでやることになるとは。

「確かに、それなら交換になるね」

「ビンゴになった人から好きなの選んでいいから」

自分のが残るなんてことにならない限り、交換することになるから大丈夫か。

「それじゃあ――いくよ」

こうして、プレゼント交換をねたビンゴゲームが始まった。

ガラガラガラガラ。

「十九番」

「十九か……ない」

「まぁ最初はそんなもんだな」

ガラガラ。

「四八番」

「あ、あった」

「私も」

「回しながらって大変じゃない?」

「慣れれば平気だよ」

ガラガラ。

「六三番」

「なかなか揃わないな」

そして数回続いた後――

「リーチ!」

「お、沙樹か」

さらに――

「私もリーチ」

「直美もか」

「私もです」

「七海ちゃんまで?」

「リーチ三人……これはピンチだな」

ガラガラ。

「三七番」

「俺もリーチ」

「信夫もか」

しかし――なかなか決まらない。

「こんなにリーチいるのにビンゴ出ないな」

「そういうもんだよ」

ガラガラ。

「五番」

「リーチ!」

俺もリーチになった。

「次こそ……」

ガラガラ。

「二三番」

「ビンゴ!」

「うそだろ、一番乗りかよ」

「早すぎない?」

「さっきリーチしたばっかじゃん」

リーチになったばかりの俺が、そのまま一番乗りだった。

「じゃあ、お先にもらうな」

「どれにする?」

みんな中身が分からないようにしっかりラッピングされている。こういう時は大きめのを取るのが一番かも。

「これで」

俺は2番目ぐらいに大きい箱を選んだ。

「それ、私のだと思う」

「直美のか」

「中身は……マフラーだ」

色はグレーだった。誰に当たっても使えるように無難ぶなんな色を選んでくれたんだろうな。

「冬だし、使えるかなって」

「ありがたく使わせてもらうよ」

その後も順調にビンゴが出ていく。

「ビンゴ!」

「次は沙樹か」

沙樹は少し小さめの四角い箱を選んだ。

「それ、私のです」

可織が持って来たプレゼントのようだ。

「中身は……時計ね」

小さめの腕時計のようだ。

「可愛い」

沙樹は嬉しそうに腕時計を付けた。

「ありがとう」

さらに――

「ビンゴ!」

「可織か」

次はリーチになかなかならなかった可織がビンゴになった。可織は少し大きめの四角い箱を選んだ。

「それ俺のだ」

信夫が持って来たプレゼントのようだ。

「カップ?」

花柄模様はながらもようのティーカップだった。

「女の子に当たると思ってさ」

「いいじゃん」

「ありがとうございます」

そして――

「ビンゴ!」

次は成美がビンゴになった。

成美は長方形の箱を選んだ。

「これは……ペンケース?」

シンプルなデザインのペンケース。

「まだ学校あるし必要でしょ?」

沙樹が持って来たプレゼントのようだ。

「実用性のあるやつにしたんだな」

「これ、好きな色」

成美は気に入ったようだ。

残り半分となったビンゴゲーム――

「ビンゴ!」

次は直美がビンゴになり、小さめの紙袋を選んだ。

「手袋だ」

「それ私が選んだやつです」

七海ちゃんが持って来たプレゼントのようだ。

男女問わず使えるように、グレーにしてくれていたようだ。

「冬っぽくていいね」

そして次はなんと――

「ビンゴです」

「俺も」

七海ちゃんと信夫が同時にビンゴとなった。

「じゃあ、先どうぞ」

「ありがとうございます」

信夫は七海ちゃんに順番を譲った。

七海ちゃんは1番大きい箱を選んだ。

「これは私のだね」

成美のプレゼント。中身は――

花瓶かびんか」

透明で大きめの花瓶だった。

「お花好きだから」

「ありがとうございます」

七海ちゃん、お花似合いそうだしちょうどいいかもな。

「じゃあ俺はこれ」

信夫は小さな箱を選んだ。

「それ私のだ」

麻衣子の選んだプレゼントのようだ。

「ストラップか」

十字架じゅうじかだな」

「男女どっちでもいけると思って」

「いいと思うぞ」

そして――

「これで最後か」

最後までビンゴにならなかった麻衣子。最後まで残ったのは……俺のプレゼントか。

麻衣子に当たるとはなぁ……。

「光司君の?」

「ああ」

「小さい箱だな」

カチッ、と開ける。

「……ペンダントだ」

一瞬、空気が少しだけ静かになる。

「きれい……」

「いいなぁ」

「センスいいじゃん」

思った以上に好評こうひょうのようだ。

「女子に当たるかなって思ってさ」

「それは正解だと思う」

「ありがと」

満面の笑みを浮かべる麻衣子。

麻衣子は嬉しそうにペンダントを光にかざした。

その表情を見ていると、なんだかこっちまで落ち着かなくなる。

俺は少し照れくさくなって、視線をらした。

「結構時間経ったね」

「もう四時だ」

「早いな」

「この後どうする?」

「クリスマスなんだから、ケーキ食べなきゃ」

そう言うと成美は部屋を出て行った。

「そういえば、ケーキの存在忘れてたな」

「どんなケーキだろ?」

「お待たせ」

成美がケーキを運んできた。シンプルなイチゴのホールケーキ。でもサイズは相変わらずボリューム感満載。

「これはまた食べ応えありそうだな」

賑やかな空気のまま、パーティはまだ続いていく――。

「そろそろ帰るか」

「そうだね」

「もう六時前だもんな」

みんなでケーキを食べ、学校のことやテレビの話題で盛り上がっているうちに、気づけば二時間近く経っていた。

「今日は来てくれてありがとう」

「こっちこそ招待してくれてありがとな」

「すっごく楽しかった」

「うん、ほんとに」

「また来年もやりたいね」

「もちろん。そのつもりだよ」

嬉しそうに笑う成美。

「次にみんなで集まるのは来年かな?」

「そうだね……初詣はつもうでかな」

「それじゃあ、また来年」

「うん、またね」

「バイバイ、成美」

初詣はつもうでの時間はまた連絡してね」

「分かってる」

「じゃあ、良いお年を」

外に出ると、すっかり日が落ちていた。

「もう真っ暗だな」

「ほんとだね」

「私たちはこっちだから」

「ああ、また年明け」

「お疲れ」

「バイバイ」

「またね」

「さようなら」

それぞれが帰路につき、少しずつ人数が減っていく。

「今年ももうすぐ終わりか」

「そうだね」

「今年は楽しかったな」

「海も行ったし」

「旅行もした」

「夏祭りもあったし」

「クリスマスパーティもやったね」

「あっという間だったけど、一番充実してたかもな」

「うん。ほんとに」

「来年は今年よりもっと楽しくなるといいね」

「ああ、そうだな」

「それじゃあ、私たちはこっちだから」

「ああ、また来年」

「バイバイ、七海」

「うん、また来年ね」

「またね、麻衣子と七海ちゃん」

「バイバイ、光司君、直美、可織ちゃん」

「さようなら」

さらに道が分かれ、残ったのは三人だけになった。

「行くか」

「うん」

少し歩いたあと、直美がぽつりと口を開いた。

「来年は、私たちも受験生なんだね」

「そうだな」

来年は三年生だし、受験や就職でみんなバタバタするんだろうな。

「光ちゃんは進路どうするの?」

「まだはっきりとは決めてない」

「就職するの?」

「分からないけど、多分就職かな」

正直これ以上勉強したくないってのもあるが、学びたいと思えることがないなら、大学は行くべきではないと思っている。

「大変だね」

「まあ、最上級生さいじょうきゅうせいは基本大変だからな」

「それじゃあね、光ちゃん、可織ちゃん」

「ああ、またな、直美」

「直美さん、良いお年を」

直美が去り、残るのは俺と可織だけとなった。

「今日は楽しかったね」

「そうだな」

「来年はどんな一年になるんだろうね」

「まだ分からないな」

少し考えてから、俺は空を見上げる。

「でも、きっと楽しい一年になると思うぞ」

「うん……私もそう思う」

冷たい冬の夜風の中。

来年への期待を胸に、俺たちはゆっくり家路いえじについた――。

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