0140 名前3
王城の中庭で、ジェクルスと指南役のリンクスが戦っていた。
「そこだ!」
ジェクルスは剣を一回転すると、リンクスの剣をもぎとった。
「か、勝てない。流石は輪廻の切り札・・・。」
ルナード王の告示より一週間。
世界に名をとどろかせるジェクルスという不老不死の魔王殺しの話題でどこも持ちきりだった。
「ジェクルス!ジェクルスはいるか?!」
レインがお団子の髪型でジェクルスを探した。
ルナード王の王城、シンシニア王国。
「やばいことになるよ!ジェクルス!」
「なにがだ?」
「ヴァレンタインが明後日なんだよ!!!」
王城の通路でレインがバカでかい声を出した。
「・・・なにがだ?」
「おまえはカッコいいヤツの有名人で、ヴァレンタインの恐怖を知らないな!」
「だから、チョコ交換する日だろ。」
「違う!アイドルにチョコ超集まる日なんだよ!どうする?!寄付とかいろいろあるぞ!」
「超チョコが集まる?」
当日。
ジェクルスはポカンとした。
フロアに埋もられるラッピングチョコの山。
ジェクルスはその中から手紙を取り出して、呼んでいた。
ジェクルスの背中は震えていた。
「・・・想像以上だな。高級チョコ食べてもいいか?」
ジェクルスは泣いていた。
「こ、こんな。こんなに皆に好かれたのは初めてだ。これが感謝なのか?魔王を殺し続けてよかった。」
ジェクルスは涙を弾くと、チョコの一つを持って、言った。
「じゃあ、貧乏な人や難民キャンプの子供たちに寄付する。それしかないな。」
ジェクルスが言うと、レインがうなずいた。




