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第6話:違う、そんなはずがない
歩いていた。
理由は分からない。
ただ——止まれなかった。
森の奥へ向かうはずの足が、不意に止まる。
(……違う)
何かが、引っかかっている。
さっきの魔神たち。
壊れていた。
なのに——
「……仲間」
その言葉だけが、残っている。
(……仲間……?)
知らないはずの言葉。
だが、意味は分かる。
胸の奥が、わずかに動いた。
(……一緒に、いる……?)
そのイメージが浮かんだ瞬間——
強い吐き気がこみ上げる。
(……違う)
そんなもの、あるはずがない。
見てきた。
この世界は、ずっと同じだった。
近づけば、喰われる。
それで終わる。
それ以外は、ない。
(……じゃあ、なんで……)
足が、また動く。
止めようとしても、止まらない。
(……俺は……)
分からない。
分からないまま——歩いている。
「仲間」という言葉だけが、消えなかった。




