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赤い砂漠

ミスタ・レイクって呼ばれた白い人物のほしいもの。


らくだ口は、紙幣のにおいに酔いながら、如何にも夢見がちな感じで話したんだ。


「ぁんたたち、彼の顔は拝みましたよね? 丁度そばかすみたいな傷が無数にあって、目が濁ってる。お気づきですかねぇ、彼、盲目なんですよ」


らくだ口はちょっと咳払いしてから、


「ただ断っておきますがね、彼が盲目であることは、まちがいぁりませんぜ? ぁたしゃ長い間、砂漠を往復していて、いろんな、聖者なんて呼ばれている、似非たちに出くわしてきましたが、彼がこの半壊したピラミッドを見上げたときの、ぁの神々しさをみたら、ぁんたたちも信じずにはいられなくなるはずでさぁ」


「聖者がやくざのボスか。珍しくもなんともない」


おじさんはそういい捨てると、


「ところで、ボスがここを見上げていたってことは、あの人は以前ここに来たことがあるってことだな?」


と訊いた。


「ぁりゃ、ご存知ぁりませんか? ミスタ・レイクは、昔、ここいらでも有名な学者様だったんですよ」


「ねえ、ここってピラミッドなの? 本当に? ピラミッドか・・・。僕、見たいな。綺麗なところだといいんだけど」


能天気にそういってみたけど、どうやら僕の出る幕はないみたいなんだ。


そうおじさんがアイコンタクトで知らせてきた。


「ぁたしが、ちょうどらくだの隊商を組めるようになったころでしたかねぇ。ぁのころは発掘ブームでしたから、景気がよろしくって、いくつものチームが大小入り乱れて、研究だか金儲けだかわからんことに精を出していたんでさぁ」


「そのチームの一員に、ボスがいたってわけか」


「ええ、若き日のミスタ・レイクは、将来を嘱望された身だったそうです。何やら偉大な発見を立て続けにしたり、一見夢物語だと思われていた遺跡を突き止めたりで、とにかく凄腕の考古学者だったんでさぁ」

 

僕はちょっと退屈になったから、ぺったん腰を下ろして、股の間に砂山を作り始めた。


「その頃のボスは、まだ目が見えていたんだな」


「ええ、目は考古学者にとって、命と同じですから、ミスタ・レイクも、たいそう細かいところまで行き届く目を持ってらっしゃったようでさぁ」           


「だが、今は全くの盲人だ」


「・・・ぁんたたちはこのピラミッドをごらんになってないんでしょうから、わかりませんでしょうが、ここは素人目にも、何か特殊な趣がぁりやしてねぇ」


らくだ口は、意味深にそういった。


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