赤い砂漠
「答えるな!」
なんて外に叫んじゃって、
「そんなこと訊いて何になる!」
って僕に怒鳴って聞かせたカリプソさんは、
「いいか、慎重に、だ。慎重に、最も的確な質問をするんだ。ここから脱出する方法を導き出す質問を・・・とにかくおれに任せろ」
「―――ミスタ・レイクが、死んでもほしいもの・・・それは、存じませんねぇ。ですが、彼が、一度手にしていながら、見失い、掠め取られたものなら、心当たりがなくもないですねぇ」
「あのおじいさん、レイクって言うんだ。イカした名前だね」
「おい隊商、おれはそんなこと訊いていないからな。おれが訊きたいのは、ここから脱出する方法。それに尽きる」
おじさんは早口でまくし立てて、
「おつりをやる代わりに、脱出方法を教えるんだ」
おじさんが差し出した紙幣は、結構な値段だったんだろうね。
「・・・ここから出たいとおっしゃるなら、ぁたしの話をきちんと聞いておいたほうがよろしいですよ?」
「ボスの身の上話に何の意味があるってんだ」
「それが、大有り、でして」
らくだ口はせせら笑いしながら、鞭かなんかで空気穴をつついていたんだ。
実は、穴はかなりの深さで、手を伸ばしてばっかりじゃあ反対側まで届かないんだよ。
隊商というだけあって、らくだ口は、起用に鞭を操って紙幣を確かめた。
商売をしてる人って、お金がとっても好きだろう?
それで、そんなのが度を越しちゃうと、お金の匂いまでわかるようになるんだって。
らくだ口はその良い例だった。




