B
お高く留まった貴族って言うのは、大体がびっくりするほどけちなんだな。
自分達はほっぺが落ちるくらいおいしいものを飽きるほど食べているのに、もしかしたら食べ切れなくて残したりもしちゃうのに、残飯を漁ろうとする連中にはひどく厳しく接するんだよね。
ほっぺに溢れたご飯一粒だって与えようとしないんだ。
でも階段を無事渡り終えたぼく達に待っていた待遇は、そんな偏見を覆すものだったんだ。
言った通り巻貝の門柱で待っていてくれた老人は、ぼく達に門をくぐらせると、自分は先へ進まずに、そそくさと来た道を戻っていった。
期待に胸躍る気持ちで門を潜ると、僕の緩んだ表情は一気に弛んでしまったよ。
腰が砕けちゃって
「一体何時になったら朝が来るんだろう」
そうエゴールに聞かずにはいられなかった。
彼は僕の問いかけなんかよりもっと大事な不満をお腹に抱いているようだったんだけど、意外なことを口にした。
「何言ってやがる。あの山道と見えない階段を上ってきたんだぞ? 何時間たっていると思ってるんだ」
彼の豚鼻は痙攣していたんだけど、僕はちょっと驚いて声も出なかったんだ。
「もうとっくに朝は来てる。その証拠に、俺の腹は足を踏みしめるたびに鳴っているんだ。間違いなく、朝は来てる」
そう不満げにいいながら、エゴールはお腹に両手を当て、億劫げに足踏みして見せた。
そうしたら本当に、足が踏みしめられるたびにお腹がなるんだな。
笑えるね。
僕は大喜びで、彼にもっと足踏みするように頼んでいると、彼が肌蹴た外套の下に来ていたシャツの胸ポケットに描かれた、ちょっと流動的なアルファベット、Bの文字を見つけたんだな。
その文字は多分・・・・・・




