表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/110

恥ずかしくなるくらいの

僕にとって、笑顔って言うのは一種の嫌がらせの類でしかなかったんだ。


笑顔を浮かべている人の目は、黒いところしか見えなくなる。


そこに何か隠している気がしてならないんだな。


それに、そんな目はいつでもこっちを見ているようで、見当違いのほうしか見ていないじゃないか。


でもね。


目を覚ました僕を覗き込むその笑顔だけは、違ったんだな。


言っちゃ何だけど、恥ずかしくなるくらいに真っ直ぐだったんだ。


「目、覚ましよった。目、覚ましよったで」


その声はぼくじゃない誰かに向かって言われた。


だけど笑顔はこっちに向けられているんだ。


ぼくは頭がボンヤリして視界が定まらなかったな。

 

「よう寝たぞ、お前。何もせんと。おれはお前、お前そろそろ死んでしまうんでないかって思っとったくらいじゃい」


また違う声がそういうんだな。


僕は実は、結構いい気分でいられたんだ。


なぜって、その人たちは僕のことを、宝物を見つけたときみたいな顔で覗き込むんだもの。

 

「あたしゃ、こんな細いガキ、拾ってくるなんて関心せんね」


腕を組んだ中年くらいの人がそういうんだな。


でもその人も僕に気持ちのいい笑顔を向けていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ