仲違い
ぼくの後、ラバ、ツェッペリン、ユダ、クーベルタン、ジェラールの順につり橋は渡られた。
後半になると、ロープを引っ張る役が、対岸のぼくらの役目になった。
ぼくは突然引っ張られて崖下へ落っこちないように常に足を踏ん張って準備した。
でも、ツェッペリンとユダがぼくの後ろで構えていてくれたから、実際、蔓が張るときがあっても、ぼくが力を入れなくてもよかったみたい。
「これがお前の言った、一人では決して渡れない道、か」
ユダはちょっと鼻で笑いながらクーベルタンを伺ったんだ。
けど彼はそ知らぬ顔で、というよりユダの言葉なんか耳に届いていないくらいの勢いで、洞窟の向こうをうかがっていた。
「たいしたことなかったな」
「だが、確かに一人でこの橋を渡るのは不可能に近い」
橋の所々に開いている穴を見返りながら、ジェラールが言った。
「そうかい? おれだったら勇敢に一歩一歩踏み出していったろうけどね」
そういって胸を張ったユダを、ラバが鼻で笑った。
「何がおかしい?」
彼はそういうけれど、実際何回も落っこちていたんだから、笑われるのも無理は無かったんだよ。
「ここより先は、まだ見ぬ地、か」
なんだかしみじみとジェラールがそんなことを言ったもんだから、
「きっと、もう直ぐつくんだよ」
なんてぼくは言い放った。
「ああ、きっとそうだ」
横にはラバが微笑んでいて、それにツェッペリンが従った。




