↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/24

第4話 着弾!? 2000トンの愛は国家兵器(と爪)を超える

「総監! 対象ヒロイン(ハルカ)上空を通過中! F-35より空対地ミサイル、射出されました!」

校庭に配置された陸上自衛隊の指揮車から、大音量の無線悲鳴が響き渡る。


 上空から凄まジイ轟音とともに迫る、極超音速ミサイル。直撃すれば校舎どころかこの区画ごと消し飛ぶ、国家最高峰の破壊兵器だ。


「ハルカ、危ない!! 伏せろ!!」

伸一は、両耳を塞いで校庭に頭を擦り付けた。


 だが、校門を股で跨いだまま立っているハルカ(全高10メートル、重量2000トン)は、逃げるどころか、巨大な頬に指先を当てて「え?」と首を傾げた。


「ちょっと伸一くん! あんなの飛んできてるけど、私、今は触りたくないよ!」


「はぁ!? 避けるか撃ち落とせよ!!」


「無理無理無理! 私、昨日の夜にネイル(特注の超高輝度チタン塗料)塗ったばかりだもん! 剥げたらどうするの!?」


「知らんわ!! 乙女の爪の心配をしてる場合かぁぁぁ!!」

直後、ハルカは飛来するマッハ3のミサイルを避けようと、嫌そうに「やだー!」と体を捻った。


 その拍子に、ハルカの巨大な足(2600センチ)が、校庭になだれ込んできていた10式戦車の車列のど真ん中をドスンと踏んづける。


【バリバリバリガガガガッ!!】

戦車隊のキャタピラが、ハルカの超合金の足裏で激しく空転し、猛烈な振動を巻き起こした。


 次の瞬間、ハルカの表情が劇的に華やぐ。

「……っあ!? なにこれぇ……っ!?」


「あの……ハルカ……さん!?(話者:伸一)」


「超気持ちいい……!! なにこれ、最高の足ツボマッサージ機じゃない!!」


「戦車を足ツボ機扱いすなーーーっ!!」


 うっとりと頬を染め、戦車を踏み台にして「きゃんっ、そこ効く〜!」と身悶える10メートル女子。

 ──に踏み潰された10式戦車は、キャタピラが悲鳴を上げ、高価な油気圧サスペンションがみるみる潰れてペシャンコになっていく。


『やめろーー!! 我が隊の自慢のサスペンションが全滅するーー!!』


『自衛隊の誇りが……足ツボのツボ押し棒代わりにされておるーー!!』

 スピーカー越しに現場の戦車兵たちの涙目の絶叫が響き渡る。


 ちなみに、ハルカが避けたせいで行き場を失った極超音速ミサイルは、そのまま空の彼方へ飛んでいき、雲の上で「ぽすん」と不発のまま虚しく煙を吹いて落ちていった。


「ふぅ……あー、すっきりしたぁ」

足ツボ(戦車隊壊滅)を満喫して満足気なハルカに、伸一は開いた口が塞がらない。


 そこへ、校舎の陰から様子を窺っていた美香と沙織が、震えながら声を張り上げた。


「な、何よあの怪物……自衛隊のミサイルをネイルの心配で避けた挙句、戦車を足ツボにするなんて……!」


「美香、でも見て……ハルカのあのペディキュア、超発色良くない……? どこのブランドかしら……」


「沙織! あなたまでハルカの女子力(ペース)に屈しそうにならないで!!」


 全滅した戦車隊の煙が目に染みる校庭で、伸一はひとり、天を仰いで深くため息をついた。

「……お願いだから、普通に授業を受けさせてくれ……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。