イベントシナリオ『悲哀は誰が為』2
「そうだ!我に挑んでこい!」
ヘビが向かっていく私達に向かって語りかける。
潰してやる!性能《防御突破》!
【幻水の精霊剣】の刃をなぞって力を開放させる。そして踏み込み、眼の前のヘビに上段斬りを叩き込む。
振り下ろされた刃はまっすぐの軌道を描いて尻尾の鱗に衝突する。
「硬っ!?」
キィィンと甲高い音がなり、鱗は剣を弾いた。
硬さおかしい!調整ミスでしょ!?
「力が足りぬ!出直せ!」
ヘビの尾が私の腹部を捉えて吹き飛ばす。
「ガハッ!」
私は4メートル程吹き飛んでから着地した。
痛い!シンプルに痛い!魔族じゃなかったら即死だよ、多分。HP半分くらい一気に飛んだから。
でも、情報伝達!報連相しないと!
「クソヘビの攻撃はほぼ即死級!タンクでももしかしたら致命圏内!」
その言葉を聞いた彼らはピタリと動きを止めてしまった。
おいおいおい、死んだでしょあいつら。
「我が前で動きを止めるとは、戯けどもめ!」
ブンッと振るわれた尾は群がっていたプレイヤーたちを薙ぎ払い、致命的な一撃を与えた。
上位であろうプレイヤーが消えたことにより、他のプレイヤー達は狂乱の悲鳴を上げ始めた。
「嘘だろ!?あの一撃で!?上位20%の奴らだぞ!?」
「俺達に勝てる相手じゃねぇ!」
一部が阿鼻叫喚となっている中、一人の男が姿を現す。
「一撃で死ぬわけねぇだろ!俺達は無事だ!」
出てきた男はきなこさんだった。よく生きてたね、あれ。まあ魔族にしてはHPが低いらしい私でも耐えれたから
普通かな?
続いて他のプレイヤーたちも続々と姿を現して無事を告げる。
あ、クソヘビが震えてる、挑発してみよ。面白そうだし。
「クソヘビさーん!一撃で殺せないのがそんなに悔しかったのかな?かかってきなよ!」
「貴様ァ!!我を馬鹿にするのも大概にしろ!」
私のその言葉についにキレたヘビさんは声を荒げる。沸点低いなおい。
怒って攻撃が単調になるはず。形勢逆転のために、準備するか。
「【月夜術:幻夜の装衣】、【月夜術:白夜の杖】!」
暗幕が私の姿を変える、変わっていく姿に呼応して私の手に所々黒い点がある白い杖が収まった。
「レッツショータイム!」
叫びながら私は駆けだして、クソヘビに魔術を打ち込む。
『闇系統魔術:影の刃』、【白夜の杖】に込められた魔術だ。
結構痛いのか、ヘビが悶えている。
ざまぁみろ。
「痛っ。ちょっとそれ禁止にせぬか?」
「見苦しいね、クソヘビ」
「我は別にこの姫を絞め殺しても構わんのだぞ!」
チッ、頭の回る蛇だ。仕方ないこの魔術は、禁止にしよう。この魔術はね。
「『奇術:火吹芸』」
大きく息を吸って吐き出すと吐息が炎に姿をかえて、ヘビに襲いかかる。
「熱い!熱っ!死ぬ、死んでしまう!」
火が収まると少し焦げてピクピクと痙攣している蛇の姿があった。
蛇の丸焼き、いっちょ上がりってね




