イベント 『竜宮城の宴』 2
「アイキャンフラァァァァァァイ!!!」
そう叫び、空中に躍り出た私はしばらく飛行を続け草原の中心にある鉄塔に足をつけた。
「クソッ!届かねぇ!」
「何であんな所居るんだよ!?」
眼下では他のプレイヤー達から睨まれるが、私は気にせずに仮眠を取る。
このイベントにギンとミオは竜宮城に残っている。このイベントにテイムモンスターは参加できないらしい
しっかり仮眠を取った私は、周囲に魔力を集め術を行使する。詠唱キーも唱えて。
「月よ、眠れ。【月夜術:新月】」
詠唱キーを終えた瞬間、魔力が霧散し、明るい草原を月の出ない夜に変える。
「何だこれ!?」
「あいつからモヤが出てすぐに夜になった!?」
「魔術か!?」
プレイヤー達から驚きの声が上がる。
これを楽しみにしてたんだよ!!
「誰か術を使えるやつはいないか!?」
そんな中、一人のプレイヤーが声を上げる。
なにかの術で私を攻撃するようだ。
でも馬鹿だね。
「任せてください!炎よ、迸れ!!『火系統魔術:火炎弾』!」
杖を持った女性プレイヤーが詠唱を唱え、杖を天に掲げる。すると、杖から炎が出現し渦巻き、三つの弾丸に姿を変える。
炎の弾丸は周囲のプレイヤーに襲い掛かり、燃え上がり更に他のプレイヤーにも伝染する。
「うわぁ!?なんで!?」
「ごめんなさい!でも優勝したいので!」
「やっぱり、他のライバルから消すよねぇ」
眼下で起こる地獄絵図を眺めながらそう呟く。
もちろん私でもそうする。このイベントにでは勝ったほうが正義なのだから。
「あれ?でもおかしいな。火炎弾は5つのはず…」
「残念でした♪」
私は背後に立ち、ナイフを突き刺す。
「え?……カハッ」
背中から血を吹き出し、そのプレイヤーは脱落した。
【月夜術:新月】は魔力の阻害及び位置交換の技だ。他のプレイヤーが消える瞬間に位置を入れ替えて突き刺したってわけよ。
私が再び鉄塔に戻ろうとした時、声が響く。
「茨よ、貫け。【荊棘術:刺茨】!!」
声に振り向いた時には、私の体に茨が突き刺さっていた。
「香りの良い花は如何?茨よ、咲き誇れ。【荊棘術:開花】」
突き刺さった茨から花が咲き、私の体力を吸い始める。
「やるじゃん!『蝙蝠変化』!!『音響魔術:夜想の音色』!!」
私の体が数多の蝙蝠となり、茨を外す。そのままの魔術を発動して、相手の動きを阻止する。
私の目が捉えたのは、美しい女性の上半身にバラの下半身という、所謂アルラウネだった。
「準備はよろしくて?」
「余裕!さぁ踊ろうか!」
初めての魔族戦の開始だ!!




