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「……ッ!!てめぇ、ふざけてんじゃねぇぞ!」
『ふざけてなどいません。さっさと帰ってください。』
「嫌だね。帰らない。」
「……。」
我に返り激怒する彼に鋭い視線を向けた彼女は再度、滝を出現させる。
それと同時に彼女は空中を指でなぞる。
30秒程で滝は消え、牢の中には髪の毛や服から雫を滴らせながら彼女を睨み付ける史谷の姿。
彼女は、幻影である滝の水と魔法で作りだした水を混ぜていた。
先程グリンに逸らされた分も合わさり、彼の怒りは膨れ上がっていった。
「なんだよこれ、……全く、冗談の域を越えてんぞ?下手すりゃ溺死してただろ。
そんなに出ていって欲しきゃ追い出し機能使えばいいだろう?
そもそも、お前が放置していったグリンを面倒見てやってたのは俺だろ?ログアウト出来るやつが酷い目に遭ってること、お前も知ってんだから最初から面倒見ときゃ良かったのに。お前が最初から面倒見てりゃ、俺だってこんなとこには来なかったっつーの。
つか、お前友達いねぇだろ?ハク、お前ボッチだって有名だぞ?……あぁ、FAの入り口にこんな牢屋があれば、誰も友達になりたがらないか(笑)だからグリンも見捨てていったのかなー?嫌われるのが怖くて?マジで笑えるわー(爆)
え?それなのに後になって『最後の一人だから追い出されないようにしてください』って?ホント、身勝手だっての。もし、グリンが追い出されたらどうするつもりだったわけ?最後の一人なんだろ?
それに、そこんとこよく説明もせずにグリン返すとか何?お前は言う通り動いてくれればいい的な?本当に身勝手だな。
……つか、ちゃんと聞いてんのか?そうやって俯いて、どうせ『反省してます。』のフリだろう?女ってのはそういうのとか嘘泣きとかが得意だからな。
それによー…………ん?」
見逃しても問題ないほどの違和感。しかしどうしてもそれが気になって、怒り心頭の彼を我に返らせた。
――頭に血が昇ると我を忘れてしまうが、治そうにも治りそうにもないよな……。
ふと、『SD時計』に映っている会話ログを見るとそこには酷い言葉の羅列。
――こりゃ普通、怒るか凹むかのどっちかだろ。
怒りのあまり、自分で言ったことを覚えていない彼は苦笑いする。
しかし、彼女は怒っているようにも凹んでいるようにも見えない。
酷い言葉を浴びせられていたのにも関わらず無反応な彼女に、彼は無意識に違和感を感じていたのだった。




