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『私からの問いの答えをお願いします。』
「んあ?」
『その為に来たのでしょう?』
キーボードから顔を上げた彼女は、感情の抜けた冷たい視線で史谷を見つめる。
キーボードの横には湯気の立つティーカップ。
この世界であんなもの、どうやって手に入れたのだろうかと疑問になった彼だが、そんなことは今どうでもいい事。
「……チッ。……フレにはまだなってねぇ。『後でいいや。』って思ってたからな。グループ会話は、申請中で無反応だ。たぶん、気づいてねぇんだろうな。」
彼女はそれを聞くとまた視線を下に落とし、軽快にキーを叩く。
『話は変わるのですが、』
「ん?」
史谷はキーを叩き続ける彼女を訝しげに見る。
『貴方は、太陽さんを覚えていますか?』
「太陽?」
『恐らくバグなのでしょう。何故かログアウトが可能で、それを妬んだ人達から嫌がらせを受けてこの世界から追い出された方です。』
「あぁ、そんなやつもいたな……。そういえば。」
『後は一番目のアシュレイさん、二番目の柏木芹菜さんと、三番目の蜜柑さん、四番目のりょーすけさん。太陽さんは五番目ですね。』
「あぁ。アシュレイの時は大騒ぎだったな。現実世界で自分はどうなっているのか調べろだとか、あっちでお前が俺の垢をログアウトしてくれれば出れるはずだからやれ、とかって。……アシュレイのやつ、嫌ならハッキリ断ればいいのにイマイチハッキリしねぇから、余計に奴らの怒りを買ったんだよな?確か。」
『貴方はどうだったのです?』
微かに感情の宿ったハクの瞳が彼を射抜く。
「俺だって、今でも怒りは感じるぞ?だってズルいだろ。アイツらだけログアウト出来るとか。俺だってあっちの事、気になるしよ。ここにいるやつ、誰だってそうだろう?」
鉄格子をガシッと掴み怒りを露にする史谷には目もくれず、彼女は面倒くさそうにキーを叩く。
『お帰りなさい。グリンピースさん。』
「んぁ?!!」
「た、ただいま……です。」
驚いて声のする後ろを見た史谷と、絶対零度のハクの瞳に見つめられ、グリンことグリンピースは気まずそうに引きつった笑みを浮かべた。




