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奇奇怪怪  作者: 菜園すず
30/41

学校の怪談 2

昼休み


「美術室でも出たって!」


もはや教室…いや、学校中は謎の人影の話題で持ちきりだった


なんで…学校中に…?

でも、また生徒に襲い掛かるかもしれない…

止めなければ…


食べていたパンを口に詰めて、お茶で流し込むと

野次馬ではないのに、噂の美術室へ向かう


美術室の前はもう人だかりが出来ていた

中からざわめきが聞こえる


「いやマジで動いたって!」


人混みをかきわけ、教室内に入る


石膏像が何体か並ぶ美術室

その中に一体だけ、明らかに石膏像ではないものが立っていた


トイレや廊下にいたやつと同じ、人影


しかも、他の石膏像と同じポーズをしている

でも黒い

そして、微妙に揺れている


「写真撮れた!

映ってるよ!」


女子生徒の一人が言った瞬間

人影は、石膏像の列からぬるりと動き出した


「ぎゃあああ!動いたあああああ!!」


途端生徒の悲鳴が教室内に響く

悲鳴と連動するように腕が痛んだ


「っ…!」


石膏像の列から抜け出した影が、ぎこちない動きでこちらへ向かってくる


その瞬間、俺の足元でまた五芒星の紋様が光り、地面の下から押し上げられるように飛び出す物体


ガッ!


空気を裂く、獣の咆哮のような音が、美術室全体に響く

人影の足元に、白い爪痕のような光が走った


白い光の尾を引きながら、四足の影が俺の前に着地した


白虎…!


白い毛並み

鋭い牙

しなやかな体躯


生徒たちが悲鳴を上げる


「な、なに!?」

「地震!?」

「やばいやばいやばい!!」


白虎は俺の前に立ち、低く唸りながら人影を睨みつける


影は首をカクンと傾けた


白虎が一歩踏み出す


その瞬間、床の埃が風で舞い上がった


白虎の身体から、白い光の粒子が散る

影が腕を伸ばす

白虎が吠えた


ガァァァァッ!!


その声は、獣の咆哮というより“衝撃波”


空気が震え、人影の身体が大きく揺れる


白虎は一気に距離を詰め、影に飛びかかる


ガンッ!!


石膏像が倒れるような音が響き、影は床に叩きつけられた


白虎が爪を振り下ろすと、影の身体が黒い粒子を撒き散らして消える


白虎はしばらくその場に立ち、周囲を警戒するように耳を動かした

やがて、白い光の粒となって消えていく


静寂が戻る

生徒たちは呆然と立ち尽くしていた


「人影が…急に消えた…」

「どういう事…?」

「阿部の足元から…何か出てなかった…?」


腕がじんじんと熱い

心臓の鼓動と同じリズムで、模様が脈打っているかのよう


俺は袖をめくる


そして、息を飲んだ


模様が…増えてる

範囲が…広がってる…


な、なんで…


胸の奥に、言いようのない不安が広がった


「ねえ!

誰もいない音楽室からピアノの音がするって!」


人混みの中、そんな声が聞こえて振り返る


「マジ?行って見ようよ!」


人混みは一斉に音楽室に走り出す


音楽室…

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