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奇奇怪怪  作者: 菜園すず
25/41

式神

空気がビリッと震え、腕に鋭い痛みが走った


「いっ…!」


その痛みに思わず膝をつくと、俺の足元に白い光の線が走る


なっ…!?


五芒星が描かれたその中心から、白い獣が飛び出す


巨大な白い虎

尾が光を引き、目は蒼く燃えている


こ、これって…もしかして…


白い虎は跳ねるように空を飛ぶと、影と白い虎がぶつかる


バチィッ!!


空気が裂けるような音が響く


影が弾かれ、白い虎が追撃する


二度、三度とぶつかり合い、火花のような霊気が散る


影が白い虎に向かおうとした瞬間、白い虎が大きく口を開いた


「──ッ!!」


光の咆哮が放たれ

影の身体が一瞬で裂ける


影は悲鳴のような音を立て、霧のように消えた


辺りは一瞬にして静寂が訪れる


白い虎は俺の前に立ち、一度だけ振り返り、そして──

光の粒になって、ゆっくりと散っていった


築地さんが震える声で言う


「阿部くん今の…

晴明の四神のひとつ…白虎…

式神だよ…

まさか…本当に…」


白虎…やっぱり


飯田橋先輩は固まって、微動だにしない


静かになった途端

腕の痛みが一気に押し寄せてくる


「っつ…」


腕を押さえながら、思わずその場に膝をついた


「あ、阿部くん!!

大丈夫!?」


築地さん駆け寄ってくる


「腕…どうなってるの!?

血は出てないけど…すごく痛そう…」


「だ、大丈夫…

ちょっと…かすっただけ…」


強がって言ったけど、正直、息をするだけで痛い

皮膚の内側から灼かれているみたいだ


築地さんは俺の腕に触れようとして

でも怖くて触れられないみたいに手を止めた


「ごめん…どうしたらいいのか…」


「いや、平気…」


平気じゃない

でも、築地さんを不安にさせたくなかった


ふと横を見ると、飯田橋先輩が立ち尽くしていた

前髪の奥の目は見えない

けれど、飯田橋先輩は、ふいっと顔を横に背けた


先輩…


「本当に…大丈夫…?」


築地さんが俺の顔を覗き込んでいた


「っ…うん

ちょっと…休めば…」


痛みをこらえながら、俺はゆっくり立ち上がった

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