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奇奇怪怪  作者: 菜園すず
21/41

末裔 1

隣を一緒に歩いていた水天宮先輩が、ふと俺の肩に手を置いた


「阿部くん

部長の言い方、気にしないで

後、誘ったのに…ごめん」


俺は首を振った


「いえ、全然

水天宮先輩が謝る事でも…」


水天宮先輩は、少し苦笑いを浮かべながら続けた


「いや…

部長は…霊感がないんだ

だから、見えないものを信じるのが難しいだけで

悪気があるわけじゃない」


水天宮先輩は、俺を見ながら言った


「俺…

霊が見える自分のこと、ずっと知りたかったんだ」


自分の事を知りたかった…?


水天宮先輩は静かに続ける


「小さい頃からずっと…見えるのに、誰にも信じてもらえなかった

怖がられたり、嘘つき扱いされたり…

だから、高校に入って科学部があるって知った時、すごく嬉しかったんだ」


何も言えずに小さく頷く


「部長の、霊的現象を科学で解明するって考えに惹かれて…

科学で、俺の見えるを証明できるかもしれないって思ってさ」


水天宮先輩は少し寂しそうに笑う


「でも…

俺の霊感は、部長に信じてもらえなかった」


胸が締めつけられるような気持ち


水天宮先輩も、ずっと苦しんでたんだ


水天宮先輩は俺の目をまっすぐ見た


「でも…」


その瞬間、水天宮先輩の表情が変わった

真剣で、どこか震えている


「阿部くん

さっきの…覚えてるよね?」


小さく頷く


水天宮先輩は息を呑むように言った


「影が襲ってきて…

阿部くんが“式”を描いて…

結界が出て…

影が弾かれて…消えた」


声が震えている


「俺は霊が見えるけど…

あんな術なんて使えない

祓う力なんて…持ってない」


胸がざわつく


水天宮先輩は、確信したように言った


「阿部くん

君、本当に安倍晴明の末裔なんだよ」


息を呑んだ


俺は…


水天宮先輩は、俺の肩を強く掴んだ


「俺は…阿部くんの力を信じる

だって…目の前で見たから

霊を祓える人なんて…

本当に血を持ってる人しかいない」


本当に…血を持ってる…


俺は…

本当に末裔なのか…?

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