図書室で情報収集
サイン済みの依頼書をギルドの受付で渡し。銅貨五十枚を受け取った。
銅貨五十枚では、宿屋の一日分で消えてしまう。
普通はどうしているのかと聞いたら、ギルドで宿泊場所を持っていて、素泊まりなら銅貨二十枚で提供しているとのこと。
但し、大怪我をしたとかの事情が無い限り、大雨が降っていても日の出と共に退場させられる。
部屋は日中に清掃し、ギルド員は、しっかり働き依頼をこなせってことだ。
日没と同時に、くじ引きをして本日の宿泊者を決めるらしいが、現状は空き室が有るため、部屋決めする為のくじ引きになっているだけだから、宿を移せば?と提案されたが、お金に困っている訳でもないし、雑多な感じが嫌なので、ありがたい話ですがと前置きして断った。
ついでに、本が読めるところがあるか聞いたら、ギルドの二階に図書室があるので利用下さいと言うことだったので、見に行った。
持ち出し禁止だが、書き写しは問題無いらしく、何人かの人が机に座って羽ペンで写し作業をしている。
アタシは取り合えず、魔物図鑑と植物図鑑を持って読み始めた。
見開きでモノクロながらリアルな絵と説明が書かれている。
最初のページはゴブリンであった、あいうえお順でもアルファベット順でもなく身近な魔物順のようである。
説明を読むと、草原や森に生息。身長百二十センチ程。武器は、殆どの個体は木の棒やコンボウの様な物を持つ。剣や槍、ナイフを持つ個体も居る。草原では穴を掘って巣を作り個体を増やす。産まれて三ヶ月で成体となるので見つけ次第、処分すること。個々の戦闘能力は、多少素早いだけで低いので、初心者でも落ち着いて対応すれば、倒すことは可能である。群れていることが多く、三〜五匹が標準。こちらもパーティーを組んで対応すれば驚異は少ない。
知能が低いので、魔法は使えない。パニックを起こしやすいので、不意打ちすることが望ましい。魔石は心臓近くにある。
等が書かれていた。
試しに鑑定してみると、一括ではダメであったが開いたページ毎なら脳裏に浮かび読むことが出来たので、速読のようにページを捲り鑑定した。
能力の使いすぎなのか、魔物図鑑を鑑定し終えて植物図鑑も半分ほど進んだところで頭痛がしてきた。
これ以上は無理をしないことにして、本を元の位置に戻し図書室をあとにした。
宿に戻ると、アランさん達が夕飯を食べていたので声をかけて同席した。
アランさん達から今日は何をしていたのか聞かれたので、ドブ清掃とネズミ駆除をしていた事を話したら初任務完遂おめでとうと祝杯してくれた。
アタシの感覚では息子のような歳の人に労い誉められて釈然としなかったが、誉められることは、やっぱり嬉しくて年甲斐もなくはしゃいでしまった。
明日、アランさん達は早くから出発するので早々に部屋に引き上げることになった。別れ際に十日以内に戻ってくる予定だと聞いたので、その時に昇級祝いをしましょうと約束してしまった。
アランさん達は、嬉しそうに部屋に引き上げたけど、良く考えたら死亡フラグじゃないかと焦り、アタシは一人、部屋で悶々としてしまった。




