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気をつかったらビックリした

日の出と共に目覚め、昨日と同じ様に準備運動(ラジオ体操)をしていた。


終わったタイミングを見計らったかのように、宿屋の親父が、朝御飯が出来たと呼ぶ。


アランさん達は深夜と言うような時間帯に出発したようだ。


朝御飯を食べ終えて、今日も美味しかったご馳走さまと親父に伝えると、頭を掻きながら調理場に引っ込んだ。


どうやら照れているらしいが、そんなことは置いといて。



宿屋を出てギルドに向かいながら、昨日の復習とすることにした。

魔物図鑑を思い浮かべて、ゴブリンとを考えながら鑑定を使ってみた。


結果成功。見開きページが脳裏に浮かんできて読むことが出来た。


道端にタンポポを見つけて鑑定。植物図鑑の内容も浮かんできた。


色々鑑定しながら歩いてギルドに到着。 依頼を受けようと掲示板を見るが、昨日と違い隙間だらけであった。受付の人に聞いたら、ゴブリンの大群発生の情報から普段狩りに出掛けていた人達も様子をみるため、砦内の依頼を受けているらしい。


残っている依頼は、依頼額の安い物だけみたいだ。


その中から、草刈りと煙突掃除の依頼を受けることにした。依頼主は同じ人で、それぞれ銅貨二十枚。受注する時に、受付さんが変な顔をしていたので話をうながすと、この屋敷は敷地面積が広くて銅貨二十枚では割りに合わなすぎると、煙突は小さいから相応だけど、それでも安目なんだよねと。


アタシ的には、お金よりもギルドカードに速く星を貰い、しっかりとした身分証明書にしたいから特に問題無し。


依頼書を持ってお屋敷に到着したが、その庭を見て驚いた。アタシよりも背の高い草でぎっしり埋まっていたのである。屋敷の門から入口までは、さすがに綺麗になっていたが、これは大変だと何か良い方法が無いか考えながら入口の扉をノックした。


しばらく待っていると、気難しい顔をした老人が現れたので、ギルドから煙突掃除と草刈りの依頼を受けて来ましたと言ったら、何ヵ月待たせるんだと怒鳴られた。


いきなり怒鳴る客はどの世界にもいるのねと思いつつ、元の世界の接客マニュアル通り、まことに申し訳ありません。本日は宜しくお願い致します。と言いながら頭を下げたら、鼻白んだらしくトーンを下げてさっさと始めろと言って暖炉のある部屋に案内された。老人あらため屋敷の主は終わったら呼べと部屋を出ていった。


暖炉の中は煤で真っ黒。普通の包帯を出してベタベタ糸で張り合わせた包帯布を使って暖炉の口をきっちり塞いでから、包帯を顔に巻きマスク代わりにして、屋根に上がりハタキを使いながら煙突内の煤を落としていった。


腰にくくりつけているだけで、最近は全く役に立っていなかったハタキだったが、ひとなでで煤が面白いように剥がれ落ちていく。ハタキの先が隙間の煤まで掻き出していくので楽チンだ。


蜘蛛女の真紀は煙突内の移動なんて朝飯前。包帯で煙突内を綺麗に拭いて。最後に包帯布を外し灰と煤を掻き出して三十分程で完了。


屋敷の主を呼んだ時に、早すぎるぞ、手抜きするなと文句を言っていたが、綺麗になった暖炉と煙突を見て唖然としていたが依頼完了のサインを貰った。



その後、草刈りについて、刈ってはいけない草はあるのか?根っこまで取り除く必要があるのか?作業内容を確認して、メモをとりサインして貰った。


その内容は、簡単に言えば、草は全て短く刈り込めばよし、花壇の中は刈ってはいけない、草は庭の隅に集めておくと言うことだけ。


花壇はレンガで囲んでいるからすぐにわかると言うので、さっそく庭に出て作業開始。


その場にしゃがみホウキを地面スレスレで水平に振る。

ひと振りで二十センチの面積を高さ五センチに刈り込めた。地道な作業だが少しずつ移動しながら刈り続ける。


それにしても、根っこまで丁寧に抜けと言われたらどうしようかと考えていたが、草刈り依頼だから刈るだけで問題無いのね。そうなると畑の草抜き依頼とかは抜かないといけないのだろうから気を付けよう。


そう思いつつ作業していたが、終わりはまだまだ先だ。何か工夫が出来ないかと試しにホウキに気を少し流してみた。ホウキが薄く光出したところで、水平に振ると。穂先が一瞬強く光ったと思ったら穂先よりも一メートル先の草も刈る事が出来てしまった。


こんな使い方も出来るんだと思いながら、気を流す量を少しずつ増やしながら実験した。


ひと振りで直径二十メートルの半円を描いた時に、花壇が現れた時には、まずいと思ってしまったが、レンガに少し傷がついた程度で花壇の中にまで届いていなかったのは幸いだった。


威力と向きを調整しつつ、ホウキを振り回し昼前に草刈りも完了した。


刈った草は、糸で束ねて庭の隅に積み上げておいた。


屋敷の主を呼び完了報告。すっきりとした庭と山積みにされた草を見て、またもや唖然としていたので、その際に花壇のレンガを傷つけてしまってごめんなさいって言って頭を下げたら、それくらいは問題無いと、なぜか頭を撫でられた。


その後、気難し気な顔に笑みを浮かべながら草刈り完了のサインをしてくれた。


サイン済みの依頼書を渡すときに、もう一度、頭を撫でられたのは、更に謎だが。


そうはあまり見えないが、誉めてくれていたのだろうと思い気にするのはやめた。



帰り道に宿屋に寄り、昼御飯を食べてから、ギルドに完了報告をしたが、あまりに早いことに驚かれた。


それから、図書室に寄り植物図鑑の残りのページを鑑定で記憶し終えてギルドから出ようとしたら受付さんに呼び止められた。



なんだろう?



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