ホクホクのち ガリ
あれから特筆すること無く、洞窟にたどり着くことが出来た。
早速、焼き芋をしようとしたところで、つまずいてしまった。
アルミホイルが無い。
洗った芋をホイルで包んで、焚き火にポイの簡単料理のつもりが、アルミホイルが無いだけで光難易度になってしまった。
万能に近い、おしりから出る糸も、燃えない糸は出せない。
丈夫な糸も、火には弱く、簡単に燃えてしまう。
文明の力である、アルミホイルに代わるものはなく、諦めて包帯包丁で輪切りにしてから小枝に刺して焼いてみた。
焦げ臭い上にパサパサする。
甘さは、どことなく感じたが、期待していたほどではなく、がっかりだった。
調理法の問題であるから、仕方がないと言われれば、それまでだ。
直火で焼いたら丸焦げになるのは目に見えている。
昔の人はどうやっていたのかと、考えているうちに、テレビで見たシーンを思い出した。
それは、アフリカかどっかで、現地の調理法を紹介した番組だった。
野菜や肉を葉っぱで包み地面に置き、土をかけてから、その上で焚き火をしていた。
熱くなった地面をオーブンのように使っての調理法。
だけど、出来上がった物を、手ではたいていただけだから、砂やら灰やらが入り込んでいて、見ていた当事は、ジャリジャリしそうだなって思っていた。
でも、これなら上手くやれそうだ。
洞窟は、石だらけで砂地は無い。
洞窟の外に出て、石を使って軽く地面を掘り、洗った芋をバッタが食べていた葉っぱで包んで焚き火を始めた。
最近夜は洞窟にこもっていたので、気にしなかったのだけど、今日の月は一つだけ。
大きい男爵芋の方。
メークインは、どこにも見えない。
公転周期が、違うのかな?
メークインは、この星の裏側かしら?
それとも、男爵芋の影に隠れているのかしら
その後も芋が焼ける間、とりとめの無いことを考えつつ、まったく見慣れない星空を眺めていた。
その後、芋を取り出して、砂を払い、皮をむいたて見た目ホクホクの芋に一口かじりついた。
甘味もあり、とても美味しい。
二口目、、、まだ中心付近は火が通っていなかったようで硬かった。
残念だが食べるのはまだ早かったようである。
サツマイモの葉とつるの形は、芋掘りしている時に覚えたから見つけしだい掘り返して、焼き芋にチャレンジした。
試行錯誤の上、ようやく、美味しい焼き芋が出来た時には感動のあまり泣き出したのは、別のはなし。
今夜の所は、新しい食材と調理法で、甘味を得ることが出来たことに満足し、繭玉に潜り込んだ。
美味しい食べ物は、身体にも精神にも良い方向に作用する。
翌朝、真紀は自覚していなかったが、前日のやる気のなさが、嘘みたいに解消され。
元気に、日課に取り掛かっていた。




