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皆既月食って天体showだよね

岩山に窪みが有ったので、今夜はその隙間で眠ることにした。


振動感知をしても目だった反応が無いのは安心の材料である。


軽く夕飯を取ってから、潜伏スキルを使い隙間で眠っていると。


振動を感じで目が覚めた。

潜伏スキル中は、振動感知が利かない筈なのに何でだろうと思っていたが。


今、起こっている現象は、振動だなんて微小の物ではなく、地面が揺れていた。


地震大国の日本人からしたら慌てる必要はまったくない規模の揺れである。


アタシは取り合えず隙間から出て様子をみることにした。



中天に眩しく輝く二つの月、メークインと馬鈴薯が重なっている。


そしてその月が欠け初めていた。


どうやら皆既月食のようだ。

天空のイベントに出会えてラッキーと欠ける月を見ていた。

皆既月食は地球の影に月が入る事によって起こるただの天体ショウだ。


昔の人は、守り神である月が突然消えてしまうことに禍々しさを感じていたと言うが。


震度ニ程度?の地震は未だに続いていたが、アタシにとっては珍しい物が見られたと思うだけだ。



何の恐れも感じていなかった。


そして、月が完全に影に入った瞬間。


『ゴゴゴッ』と山鳴りがした瞬間に大きく揺れた。


アタシは地に伏せて様子を伺う。


クレーターの跡かと思っていたが実は休火山であって、まさか今噴火するのでは無いかと思い岩山の内側を見ていると。


湖水から何かが飛び出してきた。


飛び出してきた何かは三体。


三体とも空中で留まっている。


三体とも女性のようだ。


なんで分かるのかと言うと裸だからだ。


一人は腰まである長い黒髪にアタシ並みの身長と凹凸の無いボディー。

一人は真っ赤な短い髪を逆立てニメートルを越える身長とグラマラスボディー。

一人は背中程の青髪で身長は一.八メートル程のスリムなモデルボディー。


この世界で現れる変な奴はみな裸だ、羞恥心って物が無いのだろうか。


なんて思っていたら。


先程まで何も持っていなかった筈なのに、黒髪が杖を持っていた。


そして杖を振ると。


白い肌を隠すように黒いマント姿に変わった。


赤髪は髪の色と同じ赤色のビギニアーマーにマント姿。


青髪も髪の色と同じ青色の部分プレートアーマーにマント姿。


と装備が変わった。



赤髪と青髪は黒髪に対して畏まり

「「ありがとうございます。魔王様。封印は解けました。今こそ復讐の時です。何なりと御指示下さい」」



なんですと!

アタシってば魔王の復活に立ち会ってしまったのですか。


そう思って見ると黒髪の持つ杖に禍々しさを感じる。


アタシは自分の姿を見て消えていることを確認してから息を潜める。


見つかったらイの一番に殺されかねない。


それでも見付からないように岩の影まで慎重に移動してから直接姿が見えないようにした。


アタシの視線の気配を感じられたとしたら次の展開は読めているからだ。


「この世界を破壊し闇魔の世界とする為、僕は召喚された」


魔王はまさかの僕っ娘のようだ。


「僕はまだ弱い。あのドラゴンと戦えばまた封印されてしまうだろう」


あのどうしようもない巨大なドラゴンと戦って封印だけで済むとは、見た目と違いなんという恐ろしい生き物だ。


「僕は暫くは野に下り、魔石を取り込む事に尽力をつくそう。一度に取り込める量は決まっているから二年。そう二年後にはドラゴンを上回る力を得られるはずだ。だがその前に」


アタシが先程まで居た場所を何かが通り過ぎた。


その何かは岩砂漠に到達すると大爆発を起こした。


「何かが見ている気配を感じたが気のせいかな。久し振りに世界の空気に触れて興奮しているのかもしれない」


やっぱり来た、魔王って言えばそうだよね。

ってあの威力は何ですか?

ノータイムでする攻撃では無いでしょう。

直撃していたら一瞬で消滅していたかもしれない。


「まぁいいか。僕は西に行く。『キリ』は南に行け。『レイ』は北だ。

今の世界の生き物の調査をしながら魔石を取り込み力を蓄えろ。

強い力を持つ生き物がいたらどんな手を使っても良いから僕に服従を誓わさせろ。

前回の轍を踏まぬようにな。

僕が復活した事を気取られぬように魔王様とは呼ばずに『ヨミ』と呼べ。良いな。行け。」



「「ヨミ様承知致しました。闇魔の世界の為に!」」



赤髪の『キリ』は赤い光のスジを残し南へ、

青髪の『レイ』は青い光のスジを残し北へ飛んでいった。



黒髪の魔王様こと『ヨミ』も飛んでいくかと思いきや。


突然愚痴を言い始めた。



「なんで僕がこんなことしなきゃいけないのさ。

闇魔の世界っていったい何さ。

こんな異世界に来たらさ、普通なら勇者になって魔王を倒す為に頑張るぞってなる筈なのに、僕が魔王になってどうするのさ。

まったく変なことを願わなければ良かったよ。

元の世界に戻りたければ元凶であるドラゴンを倒せば良いって、

あんな生物を倒せだなんて、なんて無理ゲーなのさ」


さっきまでの王様口調とは違う軽い口調と

その内容に驚きを隠しきれないでいると。




「そうは思わないか?そこの岩影に隠れている白い同胞よ」




え?



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